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掟上今日子の乗車券

著者:西尾維新



「忘却探偵」として活躍する掟上今日子。そんな彼女が営業活動と称し、旅に出た。ボディガードの親切守を引き連れて。目的地のない旅先で、次々と事件に巻き込まれて……
という連作短編集。全5編プラスαを収録。
冒頭で書いた通り、物語としては旅先での話ではあるんだけど、内容としては、犯人がどうとかよりも、「なぜ、それをしたのか?」というホワイダニット部分が重視された形のエピソードが多い印象。
例えば2編目。兄弟仲の凄くよかった受験生の兄が、妹を殺害した。実は憎みあっていた、とか、そういう事情は一切なかったのになぜなのか? その理由について、今日子は推理を披露して見せて……。これなんかは、完全にホワイダニットの物語。今日子の推理は、完全に「こうではないか?」という形のもの。しかし、その中で、出てきた情報が全て正しくて、という前提でのひっくり返しは好き。……どちらにしても、この兄が最低なのは確かだけど。
なんか、心情的にわかるのは、観光バス……というか、高速バスで、親切の隣の席の人が殺害された、という5編目かな? 通路側の席には体格の良い親切がおり、事実上の密室状態。その中で、どうやって犯人は隣の席の人間を殺したのか……。トリックとか、そういうものはしょーもないのだけど、なんか、イラっと来る気持ちはわかる(笑) ていうか、電車内で大声で喋るやつとか、「やれるなら」と思うこと多いし(笑)
正直なところ、それぞれのエピソードの内容はかなり小粒だし、それが本当か? って思うものも多い。そういう意味で、単純にミステリ作品として見た場合は、ちょっと弱い、という気もする。
その上で、最終編は……これは続編への導入編……という形に。ただ、これも、なぜ、そのようなことを、という話であるという点では、この作品集に入るもの、と言えるだろう。

No.5003

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  • 掟上今日子の乗車券 作:西尾 維新 発行元(出版):講談社 ≪あらすじ≫ 掟上今日子―-彼女の記憶は眠るたびにリセットされる。その特性をいかし、彼女は「忘却探偵」として活動していた。そんな今日子が営業活動と称し、ボディーガードの親切守を引き連れて旅にでる。目的地もとくに決めていないという。依頼があって動くわけではないこの旅、果たしてどんな事件が待ち受けているのか。...
  • 2019.01.31 (Thu) 22:40 | 刹那的虹色世界