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閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム

著者:木元哉多



シリーズ第4作。2編プラス1編を収録。
今回はタイトルに「点と線の推理ゲーム」とあるように、2編それぞれで、事件に巻き込まれるまでの様々な出来事に長く尺がとられ、その中での様々な出来事から、という形になっている。
1編目、中学生の向井由芽。売れない画家の父を持ち、母はそんな暮らしを嫌って出奔。そんなある日、由芽の周囲では色々な出来事が起こる。脅迫状。なぜか高得点となっていたクラスメイト。そして、父の万引き写真……。そして、由芽は何者かに殺害されて……
この物語のポイントは、誰が、なぜ、由芽を標的にしたのか? という点。由芽自身、過去にやましいことがないわけではない。しかし、由芽の周辺で起こっていることについてなぜそうなるのかの理由はサッパリわからない。その中で、由芽だけが、他の人と違っている点は……。そして、なぜ、このような形で殺害されてしまったのか? 由芽にとって、ある意味では災難そのもの。でも……という部分もある。そういうものを含めて、「全てが集まって」という感じがする。
3編目、元ヤクザの久保。妻が死亡し、娘を育てるためにも足を洗って、うどん屋としてまっとうな商売を始めた久保。しかし、その所属していた組は久保の穴が埋められずに窮地に。そして、その組長が殺害され、やがて、久保自身も……
ある意味、自分自身のせいではない、という意味ではこちらの方が上かも知れない。真っ当な生き方を望み、復帰への誘いも断る。しかし、周囲の状況がそれを許してくれない。そして、推理の決め手となったのは……。仁義だの何だの、というような言い方がされるけど、ヤクザの世界のしがらみなどの因縁というのが印象に残る。……久保も、そんなものを持っていて、「足を洗った」と言って良いのか? という風に思わないでもないが……
その中に挟まれた『閻魔堂沙羅の日常』は、文字通り、箸休め的な印象のエピソード。
……というか、普段、作中で「怖い存在」とされている沙羅の父・閻魔大王の印象が……。個人的に、『鬼灯の冷徹』を思い浮かべてしまったのは秘密。

No.5006

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