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魍魎桜 よろず建物因縁帳

著者:内藤了



長野県北部の猿沢という地域で、ミイラ化した遺体が発見された。地滑りが多い土地、と言われる猿沢地区を支えていた人柱と思われるのだが、直後から周辺で老婆の死霊が住人を憑き殺す、という事件が続発する。曳家・仙龍と共に調査にのりだした春菜だったが……
シリーズ第5作。
なんか、春菜がサニワとして本格的に覚醒してきた感じ。そして、その中で、今回の事件であるミイラの発見、その直後に起こる死霊によるアレコレよりも、春菜の仙龍に対する想い、みたいなものの印象が強く残る。何しろ、春菜がミイラについて関わる前のエピソードとして描かれる事件から、仙龍に黒い影が憑いているのが見えて……と来るから。
仙龍が該当する当主が42歳という年齢で死亡してしまう。その背景には、その黒い影によるものではないか? 逆に言えば、それをどうにかすれば、死の運命から逃れることが出来るのではないか? そんな思いを抱き、そして、そのためには何をすれば良いのか? という部分に多くの分量が割かれているから。しかし、今のところ、その方法は全く見えず……
そんな中で、自分の寿命を削るような形で仙龍が関わっていく死霊について……
人柱として死んだと思われる遺体。その遺体については、色々な逸話が存在していた。恐らくは、その地域を訪れた僧が……。しかし、当然のことながら、その僧は男性。となると、その老婆の死霊は何なのか? そういうところでもしっかりと物語を引っ張るのは流石。
老婆の正体とか、その辺り、ちょっとアッサリとした感じもあったのだけど、その分、仙龍自身について、の部分が充実していてシリーズとしての読みごたえに繋がっていたかな? という感じ。この部分は確実に、今後の春菜の行動として根幹になっていくと思われるだけに。

No.5010

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