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アナザー・マインド ×1捜査官・青山愛梨

著者:梶永正史



警視庁捜査一課殺人犯に配属されて一週間。青山愛梨は、心療内科クリニック院長の殺害事件に臨場することに。捜査本部が置かれた目黒署で、コンビとして指名されたのは3年前に離婚した夫の父・吉澤。捜査が難航する中、精神科医・渋谷も捜査に加わることになって……
うーん……『×1捜査官』とあり、主人公の愛梨が、元義父とコンビを組んで捜査に当たる。物語として、その離婚した相手とのアレコレとか、そういうのはある。あるんだけど、あまり物語に絡んでこなかったかな? という印象。というのも、コンビを組む元義父である吉澤の存在感、どんどん薄くなるし……
で、物語の中心となるのは、タイトルのもう一つの部分である「アナザーマインド」。殺害された医師・武田。そして、自分が犯人だと出頭してきた男。両者は、生活圏の違いなどもあり、そもそも接点が見つからない。ところが、聞き込みの中で、唯一の接点となり得るのは、ある花屋の存在。そして、その従業員・あさみ。そして、彼女は、かつて父が殺害されたという被害者遺族であり、そのショックで解離性同一障害を患った過去があった。しかも、その治療にあたったのが渋谷で……
捜査関係者であるはずの渋谷。しかし、常に、何かを隠している印象がある。実は、渋谷が犯人なのか? 捜査関係者であり、ある意味では味方ともいえるはずの存在に対して、信頼して良いのか? という疑心暗鬼の思いが交錯していく辺りの引っ張り方は上手い。正直なところ、解離性同一性障害とかについて、そこまで詳しいわけではないので、ここで描かれていることが医学的にどうなのか? とか、そういう想いはある。あるのだけど、エンタメ作品としてそこを突いていくのは野暮ってものなのかな? とも。
最初にも述べたように、もうちょっと元義父とのやりとりとかを期待していただけに、ちょっと肩透かしの部分もあったのだけど、十分に楽しめた。

No.5014

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