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リベリオ・マキナ ≪白壇式≫水無月の再起動

著者;ミサキナギ



対吸血鬼戦闘用絡繰騎士≪白壇式≫。ヘルヴァイツ公国の天才技師・白壇博士の作った六姉弟は、欧州を吸血鬼軍から救う英雄となる……はずだった。しかし、決戦を目前に、その末弟・水無月は、起動を停止されてしまう。十年の時を経て、再起動した水無月が知ったのは、戦いが終わっていたこと。そして、五姉弟は戦後、暴走の末に虐殺オートマタとして歴史に名を刻んだ、ということだった。亡き白壇博士の娘・カノンと共に「高校生」としての日々を送ることになるが……
第25回電撃小説大賞・銀賞受賞作。
うん、楽しい!
粗筋にも一応は書いたけど、物語の舞台としては、かつて人類と吸血鬼の戦争が起こっていた。その戦いは、白壇式と言われるオートマタの活躍により、終結したものの白壇式は禁忌の存在となっている。そのため、白壇式開発者の娘であるカノンは、イジメの対象にされている。一方で、ヘルヴァイツ公国では、オートマタ技師を目指す若者が多く、カノンもまた、その大会を目指している。
という中で、物語の中心となるのは3人。
白壇式のオートマタである水無月。しかし、見た目としては人間そのもので、学園でも人間としてふるまっている。でも、暴走したオートマタなどを見ると、戦いたくなる、という衝動はあるし、自分が思っているほど、人間社会の常識に通じておらず、ヘンテコな言動を取ったりする。その水無月の保護者的な立場のカノン。しかし、完全な機械オタクであり、その話になると、一人、暴走し始める。そして、そんな二人の前に現れた吸血鬼の王女・リタ。はじめは、二人に挑戦するのだけど、水無月の身体能力に一目ぼれ。しかし、水無月とカノンは、リタに正体がバレたと思って……。そんな三人のやり取りをメインにした、ドタバタ劇的な日常が始まるのだが、吸血鬼の中で、和解に不満を持つテロ組織が現れて……
一種のドタバタ日常コメディ的なところから、今度は再び、吸血鬼のテロ組織との戦いに。その中で、なぜ水無月が外れたのか? なぜ白壇式が暴走したのか? というようなところへ……。日常の中に、ヒントがしっかりと存在しており、ちゃんとすべての謎が明らかにされていく、というのは素直に上手い。カノンの母の想い。それを踏みにじった存在のエゴ。しかし……。
ちょっとほろ苦い部分も示しながら、でもスッキリ。完成度の非常に高い作品。

No.5027

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