著者:古野まほろ
「人殺しだから」 過去の過ちを背負って、実予へと転校してきたあかね。そんな彼女は、実予の人々に温かく受け入れられる。そして、そんな実予では、謎の連続放火事件が起きていた。そして、彼女の目の前で爆発、転落事件が起こる。陰陽を操る美少女・小諸るいかと共に事件に挑む…
ぞなもし、ぞなもし、はふぅ…(ぉぃ)
『天帝』シリーズ3部作が完結した、ということで新シリーズの本作。ただ、世界観そのものは、同じであり、また、直接、物語に関わるわけではないものの、『天帝』シリーズの面々の名前があったり…というようなリンクはされている。
さて、物語の方は…というと…。正直、デビュー作である『天帝のはしたなき果実』を読んだとき同様の疲労感をまず持った。デビュー作も、かなり独特の言い回しで慣れるまで読みづらさを感じるのだが、本作にしても同様。テンションの高さなどは同じで、そして、最初にも書いたような「ぞなもし」な独特の言い回しでの会話、やりとりが続き、事件そのものが起こるまで全体の半分近い頁数が使われる。そのため、『天帝』シリーズで大分慣れた、と思っていても苦労した。ここから入る人は、余計に疲れると思う(しかも、世界観などの説明も少ない)
ミステリー小説と言う意味で言うならば、(最後に陰陽師としての調伏とかあるけど)極めてオーソドックスな格好。部室棟で起こった爆発事件と、ほぼ時を同じくして起こった生徒の転落事件。あかね、るいか、警部の3人で目撃証言や物証を探り、そして、それが出揃ったところで…と。
純粋にトリックだけを言うのであれば、比較的簡単。読んでいて、恐らく、この人が犯人で、こういう形でやったんだろうな、と言うのは想像できた。実際に、それが可能かどうかは、ちょっと微妙だけど、物理的に絞り込んでいって、の解明は論理的であるし、そういう意味での文句はなし。
が、それだけに、前半で書いた、それ以外の著者独特の部分をどう評価するか、と言う話になるのではないかと思う。私自身、嫌いではないけれども、疲れた、と言う感想をどうしても言ってしまう。
『天帝』シリーズもそうだけれども、購入するなら、先に少し立ち読みをして決めることをお勧めする。
通算1261冊目

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「人殺しだから」 過去の過ちを背負って、実予へと転校してきたあかね。そんな彼女は、実予の人々に温かく受け入れられる。そして、そんな実予では、謎の連続放火事件が起きていた。そして、彼女の目の前で爆発、転落事件が起こる。陰陽を操る美少女・小諸るいかと共に事件に挑む…
ぞなもし、ぞなもし、はふぅ…(ぉぃ)
『天帝』シリーズ3部作が完結した、ということで新シリーズの本作。ただ、世界観そのものは、同じであり、また、直接、物語に関わるわけではないものの、『天帝』シリーズの面々の名前があったり…というようなリンクはされている。
さて、物語の方は…というと…。正直、デビュー作である『天帝のはしたなき果実』を読んだとき同様の疲労感をまず持った。デビュー作も、かなり独特の言い回しで慣れるまで読みづらさを感じるのだが、本作にしても同様。テンションの高さなどは同じで、そして、最初にも書いたような「ぞなもし」な独特の言い回しでの会話、やりとりが続き、事件そのものが起こるまで全体の半分近い頁数が使われる。そのため、『天帝』シリーズで大分慣れた、と思っていても苦労した。ここから入る人は、余計に疲れると思う(しかも、世界観などの説明も少ない)
ミステリー小説と言う意味で言うならば、(最後に陰陽師としての調伏とかあるけど)極めてオーソドックスな格好。部室棟で起こった爆発事件と、ほぼ時を同じくして起こった生徒の転落事件。あかね、るいか、警部の3人で目撃証言や物証を探り、そして、それが出揃ったところで…と。
純粋にトリックだけを言うのであれば、比較的簡単。読んでいて、恐らく、この人が犯人で、こういう形でやったんだろうな、と言うのは想像できた。実際に、それが可能かどうかは、ちょっと微妙だけど、物理的に絞り込んでいって、の解明は論理的であるし、そういう意味での文句はなし。
が、それだけに、前半で書いた、それ以外の著者独特の部分をどう評価するか、と言う話になるのではないかと思う。私自身、嫌いではないけれども、疲れた、と言う感想をどうしても言ってしまう。
『天帝』シリーズもそうだけれども、購入するなら、先に少し立ち読みをして決めることをお勧めする。
通算1261冊目

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