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賭博師は祈らない5

著者:周藤蓮



ロンドンの裏社会を牛耳るジョナサンと対立し、一度は全てを喪いつつも立ち上がったラザルス。フランセスにも勝利し、再びジョナサンとの対立を掲げることに。ルロイ率いるボウ・ストリート・ランナーズと共に、ジョナサンを倒すための算段に動くのだが、その矢先に……
シリーズ完結編。
ロンドンの治安を巡っての両者の戦い。ジョナサンを治安判事にさせないこと。裏社会を仕切るジョナサンに治安判事を与える、ということはすなわち……。しかし、裏社会を牛耳っているとはいえ、表向きの犯罪行為は行っていない。そんな中で、ジョナサンに何らかの罪で逮捕するためには……。だが、そんな矢先に飛び出したのは、そのジョナサンが死んだ、という噂。そして……
この辺りの捻り方。凄まじい。
治安判事の座を巡って争うランナーズとジョナサン商会。しかし、その一角たるジョナサンが死んだ、という噂によって、街は混乱状態に。次々と起こる事件を前になすすべないランナーズ。そして、ランナーズのリーダー・ルロイは失踪してしまう。そのようなな中、再びジョナサンが姿を現して……
そもそも、ジョナサンの目的は何なのか? 彼女が行っていた「整理整頓」。それは、賭け事が蔓延していたロンドンの町で、「ここは賭け事が出来る場所」「ここは飲食店」というようにそれぞれの業態をしっかりと戻すこと。様々な情報に精通し、合理的な考え方もできるジョナサンだが、その目的がイマイチ見えてこない。ランナーズの活動停止によって、ジョナサンとラザルスが対立する必要もなくなったはずだったが、ジョナサンの狙いに気づいたとき……。そんなジョナサンの目的を巡っての考察というのがまず魅力的。
そして、そのジョナサンの目的を知ったときに、ラザルスが動くことに決めたのは、リーラとの関係。
リーラを故郷に返すことに決めたラザルス。ラザルスの中で、とてつもなく大切な存在となっていったリーラ。リーラもまた。しかし、その思いを告げることが出来ないままに進む時間。リーラを故郷に返すべきなのか、それとも……。
リーラの部分って、直接、ジョナサンとの対決と結びついているわけではない。でも、フランセス、エディスといった面々との中で、「こだわらない」という従来の彼から変わっていったことが大きな意味を持っており、物語の両輪となっているのがよくわかる。
そして、その結末。「そうなるのか……」と思いつつも、しかし、その後も……。そんな余韻もすごく良かった。
もっと読んでいたい。そういう気持ちは間違いなくある。でも、そう思いながら本を閉じるのが幸せ、なのかもしれない。

No.5033

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