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タタの魔法使い3

著者:うーぱー



1000名を超える死者を出した折口大学付属高校の転移事件。甚大な被害が出たものの事件は終息したかに見えた。しかし、異世界に取り残された45名のサバイバルは続いていた。校舎崩壊前にたてられた計画に基づき、タタの魔法使いに会うため、旅をする彼ら。しかし、その一人の夢『人狼ゲーム』により、少年たちの疑心暗鬼は深まっていき……
一応、シリーズ完結編……になるのかな?
正直なところ、2巻が結構、読みづらい、という感じだったので、登場人物の人数が絞られ、旅をする、という形で綴られた3巻は読みやすかった。
タタの魔法使いに会うべく、学校を抜け出した45名。しかし、そのグループは団結したもの、とはいいがたい状態。クラス、趣味などのグループでの派閥が出来上がっており、それぞれのグループで固まって、という状況。しかも、その中でも色々と……。
物語の中心となるのは、教師・西田に片思いをし、「大人になりたい」という願いにより、文字通り・大人となった赤石。その赤石が好きな幼馴染・クレア。「探偵」となった吉沢。そして、ゲームの最強キャラとなったことで、リーダーとなりたがる春田……というような面々。
この作品の良さって、極限状況、という設定があるが故の、むき出しの想いだと思う。教師として、リーダー的立ち位置になるはずが、何も決められない西田。その西田に惚れている、ということもあり自分が敢えて悪役なども買って出る赤石。赤石の気持ちがあるからこそ、西田にイラつくクレア。さらに、力を手にした春田の傲慢な姿に、同じく力を手にして暴走する者。そして、人狼ゲームによって発生する殺人……。そして、そんなこんながありつつ、旅を続けて……
1巻の時の話とか、そういうものが伏線になっての完結。なるほど、と思う部分と、あれ? と思う部分とがあって……
楽しめたのは確か。でも、「これで終わり?」という感じが無きにしもあらず。

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