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(書評)越境捜査

著者:笹本稜平

越境捜査越境捜査
(2007/08)
笹本 稜平

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14年前の12億円詐欺事件。容疑者である森脇は、他殺体となり、神奈川の海に浮かぶ。事件は警視庁と神奈川県警の対立もあって、迷宮入りし、12億円も闇の中…。偶然、その事件の捜査を始めた刑事・鷺沼は、何者かの襲撃を受ける…。
タイトルだけだと、どういうものなのか、という部分もあるんだけど、物語としては警察内部での派閥争い、裏金…などというものが絡んだ警察小説。
いきなりの襲撃、不良刑事である宮野の接近に、鷺沼が恩師と慕う韮沢からの依頼から始まり、いきなり感じる違和感。誰が味方で誰が敵なのか? 手探り状態から始まり、エスカレートしていく妨害に対する怒りに、12億円という欲望。それらがテンポよく描かれていくだけになかなか面白く読めた。
ただ、その妨害工作、後半はエスカレートのし過ぎのような…。そこまで行くのも、鷺沼が折れないから敵も引っ込みがつかなくなって…という捉え方はできるのだけれども、さすがにここまで来ればもみ消せないはず。しかも、冒頭の襲撃などは明らかに薮蛇にしかなっていない。この辺り、ちょっと気になった。
ただ、全体を通して考えれば十分に楽しめた。

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