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スープ屋しずくの謎解き朝ごはん まだ見ぬ場所のブイヤベース

著者:友井羊



早朝にひっそりと営業するスープ屋しずく。シェフの麻野にかかれば、お客の心も不思議も、あっさりと溶かされて……
シリーズ第4作の短編集。全5編を収録。
なんか、今回は麻野の娘・露関連の話が多かったかな?
1編目『おばけが消えたあとにおやすみ』。露のクラスメイトである夢乃が不眠で悩んでいるという。そして、その背景には、心霊現象(?)が……。金縛り、さらに、何者かに取り憑かれたような母親……。タウン誌の編集者・理恵も、母と面識があるが、確かに疲れたような様子が見受けられて……
スープに関する話ではあるんだけど……これ、麻野はよくこんなことまで知っていたな! という感じがする(笑) 食事とそれは確かに関係性がないわけじゃないけど、完全に医学分野の専門領域になってしまっているからなぁ……。そして、その上での母親の決断……これが最終編の伏線とは思わなかった。
同様に、露関係の話では『まじわれば赤くなる』。夢乃のクラスメイトが、調理実習のとき、いきなり出来たカレーを処分してしまったという。その班では、過去、イジメの加害者、被害者という関係があって……。真相については、こちらは料理の専門家だから、という部分を感じる。よく「料理は科学である」というけど、それを実践したような印象。ちょっと綺麗過ぎるまとめな気はするけど、まぁ、良いか。
個人的に一番好きなのは、五千両の宝がある、という大叔父の遺した言葉の意味とは? という謎と、今度は包丁を買いたいという理恵と、それに付き合う麻野の話。調理器具フェチと言える麻野の語り口と、それにしっかりと関連した謎。親族の間では「困ったやつ」という印象だった大叔父の友情……。それぞれが綺麗にまとまっているのが良かった。
そして、最終編。理恵が携わっていたタウン誌が、他の出版社へ移籍することに……。その中で、どうするのか?
1編目で「これが伏線」というのがあったけど、広告を出してくれる店の休業とか、そういうものが意味を為し、その中で何を仕事にするのか? という部分……。
好きなもの、やりたいものを……。でも、それが特にない。その時はどうするのか? そんな問いに対する麻野の答え。これ、進路とか、そういうものを考えるうえでも大事なことじゃないかな? 自分自身も「こういう職に就きたい」みたいなものは特になかっただけに……
まぁ、自分の場合……
隠居生活がしたい!
……と中学の頃からず~っと思っていた、っつーのは秘密だけど(ぉぃ)
ともかく、話として一区切り、という感じもするのだけど、続編、あるのかな? あってもおかしくはないけど。

No.5099

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