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物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪

著者:輪渡颯介



かつての門人であった旗本の次男・市之丞からの蓮十郎へ入った依頼。それは、市之丞の屋敷に物の怪が出るので退治してほしい、というもの。しかし、蓮十郎らは物の怪の気配を察知できない。そこで、溝猫長屋の子どもたちも同行することに。だが、そのせいで、呪いのようなものにかかってしまって……
シリーズ第4作。……その前に、第5作目を読んでしまったのだけど。
何と言うか、今回の話はかなりシリアスな空気が出ている印象。一応、冒頭に続く粗筋を書くと……。市之丞の屋敷に向かった蓮十郎と子供たち。だが、物の怪の姿を見た者は数日後に命を落している。屋敷に残ったものは、そこで霊に殺され、屋敷を離れた者も、江戸にいては危険な状態……。なので、剣の腕のある蓮十郎は、竜や弥之介親分らと屋敷で霊と対決。一方、子供たちはお紺を追って江ノ島旅行へ……
蓮十郎たちの前に現れる物の怪というのが、文字通り、これまでのそれとは違う強力なもの。奇妙なことが起きる、というだけでなく、様々な形で蓮十郎らの前に……。それでも、「子供を守るんだ。そのためには」という大人たちが、かなり頑張っていて、凄く好感の持てる活躍っぷりを見せてくれる。
一方で、江戸を離れた子供たちは……というと、お紺ちゃんに相変わらず振り回されっぱなしで、しかも、道中で見かけた僧侶の霊に追いかけられたり、宿に纏わるアレコレを聞いたり……。こちらは相変わらず、と言えば、相変わらず。ただ、その中で、お多恵がどういう意図を持っていたのか、とか、そういうことを考えたりもする。
そんな感じで、かなりシリアス。そもそも、蓮十郎に依頼を出した市之丞自身が、その例の凶悪さを理解して、敢えて説明をせずに巻き込んだ形だし、しかも、その裏にあったものが、溝猫長屋の祠に祀られているお多恵とも関係している、とシリーズの一つのまとめとしての役割を持っているから余計に。でも、そんな中で、蓮十郎らが屋敷で物の怪と対峙する中で屋敷のアレコレが壊されたりして、市之丞の顔がどんどん渋っていく、とか、ちょっとしたユーモアを忘れないのが著者らしいかな? と。
その後の話を先に読んでしまったので何だけど、5作目は後日談。4作目のこちらが、本編の実質的解決編的な意味合いが強いのだろうな、というのは間違いない。

No.5100

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