FC2ブログ

いのちの人形

著者:横関大



世田谷で発生した不審死事件。警視庁捜査一課の川村は、その現場に臨場するが、厚労省の人間を名乗る人物の横槍により、その捜査は妨害されてしまう。一方、警視庁サイバー犯罪捜査官の高倉は、その事件に関するソフト開発中に不可解な部分を発見する。結果、二人は、コンビとして、事件の捜査に当たることに……。ごくごく普通の会社員としての日々を過ごしていた夏川は、同僚に促されて、思わぬ形でピアノを弾いて……
テーマそのものは面白いが……でも……
読了後に思ったのは、そんなことだったりする。
盛大なネタバレになってしまうと思うが、物語の題材は「クローン人間」である。
即ち、粗筋で書いた不審死を遂げた人物。彼は、28年前、とある研究者が当時、活躍していた人物の遺伝子から作り出したクローン人間であった。しかし、政府は、その存在を隠蔽。その隠蔽した人物が、そのオリジナルと同じ分野に触れないように監視していた。その流れで、川村が関わった事件についても妨害をしていた……。しかし、その事件についてしつこく捜査を続ける川村、高倉は、その事実を知らされる。さらに、同時に作られたクローンが次々と殺害されて……と続いていく。
著者らしい、テンポの良い話の流れ。さらに、「なぜクローンはいけないのか?」という問題に関する意見のぶつかり合い。そして、ひっくり返し……という流れなどもこなれている、という辺りでストレスなく読ませるのは流石。その中でのクローンは何故だめなのか? に対する犯人の言葉は、色々と考えさせられる。代用品として、みたいなものは……というのが犯人の言葉にあって反発は覚えたけど、例えば、自分の果たせなかった夢を子供に、とか、そういうケースがある、とかを考えると……っていうのも思ったりはした。
ただ、その一方で有名ピアニストのクローンであった夏川が突如としてピアノの才能に目覚めて……という部分は、ちょっと……とも感じたり。いや、そもそも資質はあったのだろう、というまでは思う。ただ、一方で、それまでピアノに振れたこともない人間が、弾いてみたらいきなりすごい演奏が出来た、なんてことがあるんだろうか? 元の資質と、小さいころからの環境。それが組み合わさっての結果だと私は思うだけに……。そういうところがちょっと気になった。
面白く読むことが出来たのだけど、ちょっと気になることがある、かな?

No.5101

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0