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家に帰るとカノジョが必ずナニかしています

著者:柚本悠斗



『誕生日おめでとう。今日着でプレゼントを送った』 孤高を極め、お一人様生活を謳歌する俺の元に、親父の企みでレンタル家族としてやってきたのは、見知らぬ美少女・朱莉。しかも、同じ高校にまで転校!? 学校では優等生なのに、家では俺の風呂を覗いてきたり、タオル一枚で俺に迫ってきたり……
最初に言うと……朱莉さん、あんまり「ナニか」していませんがな。というか、同居生活、という風に書かれているけれども、設定的には週末だけ、という感じだし、「ナニか」と言いつつもせいぜい、家事を担当する終末が終わると主人公・颯人のパンツがなぜか消えている、というくらい。ナニかしている、という感じではないんだよな。
……と言いつつ、話自体は楽しかった。
なし崩し的に始まった、終末だけのレンタル家族という颯人と朱莉の関係。朱莉が泊まるのは週末だけ、とはいえ、クラスメイト達にバレるわけにはいかない。そんなことをやっている中、朱莉を愛している妹の雫に襲いかかられたり、はたまた、ぼっちキャラである颯人にも気軽に関わってくる戸祭に気に入られたり……
途中から、颯人と朱莉の関係について何者かが、情報を流出させて……というものがあり、ある意味では、そこがメインになっているのだけど、そこまでのアレコレで、登場人物それぞれのキャラクターが、性格とか、そういう部分において掘り下げられており、その上で、どうやって犯人を特定するのか? というところもしっかり(ギャグ交じりで)描かれていて、うまいなぁ、というのを素直に感じた。親父と担任も良い味を出しているんだよな。
まぁ、でも、この作品……読んでいる時は、それほど感じないけど、読み終わってみると変態ばかりだな(笑) 朱莉の妹・雫は、あからさまだけど、実は朱莉もまた……っていうのは読んでいてわかるし、ストーカーそのものも……。この辺りが明らかになって、より色々と楽しいことになりそう。そうなれば、文字通り「ナニか」していそうだし。それに、颯人と朱莉の関係とか、軽く触れられているとはいえ、なぜ颯人が「おひとり様」を、っていうところも色々と掘り下げることが出来るだろうし、そういう部分も楽しみ。

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