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こちら横浜市港湾局みなと振興課です

著者:真保裕一



横浜市港湾局みなと振興課。横浜港関連の様々な事象が舞い込み多忙を極める暁帆らの職場に、待望の新人が配属される。その新人・城戸坂は、国立大出身で、様々な難問を難なくこなしてしまう有能な若者で……
なんか、構成として『遊園地に行こう!』とかみたいな感じだな、というのを感じる。
物語は5章構成で、序盤の3章は、それぞれ、カンボジアからの研修生の失踪事件だったり、フォトコンテストの不可解な出来事だったり、はたまた、横浜港に寄港した豪華客船で起こる幽霊騒動だったり……とそれぞれ独立した謎を解いていく、という形。しかし、だんだんとその中の未解明だった部分が明らかになっていって……という形に。
まぁ、暁帆と城戸坂のやりとり、というのが楽しかった、というのは確か。上の粗筋でも書いたように、語学は堪能だし、企画の資料作りなどもソツなくこなしていく有能な新人。しかし、その一方で、仕事熱心過ぎる上に、何かを調べているような不自然な気配も見え隠れ。そんな城戸坂に暁帆は振り回されることになって……
それでも、序盤の話は、それぞれ独立した謎だし、それぞれではっきりと真相が明らかになるのだけど、その城戸坂が目指しているものが明らかになってくると……ちょっと無理矢理かな? という感じ。そもそも、その目的だけのために公務員になったのか? という部分があるし、(名目上は)上司と部下という関係にはなるけど、市長と新人が気軽にやり取りをするような関係になるか? とか、思えてくる。また、その城戸坂の行動を妨害してきた地域の重鎮とかについていえば、そこまで一人の人間に対して執着できるのか? とか思えてくる。わざわざ「私は怪しい者です」と宣伝しているようなものだからなぁ。さらに、調査を続ける中で、だんだんと「こうだろう」というものが明らかになるけど、あくまでも「恐らく」だけで終わってしまうのも……。ある意味では、それがリアリティだ、ともいえるかもしれないけど、小説としては……
そういうのも含めて、序盤のちょっとした事件の方が好みだったかな? 先に挙げた『遊園地に行こう!』でも、同じような感想を書いていたのを思い出す。

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