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道化か毒か錬金術2

著者:水城正太郎



天才錬金術師『アナーキスト・アルケミスト』ことアルトと、その相棒役となった赤毛の美人スパイ・イングリド。ある日、ウェストマール皇国の皇帝・ジャンに呼び出された二人。ジャンの依頼は、宗教紛争に関与が疑われる悪魔の調査。純正教会からの推薦だという学生・エイヴリーを加えるのだが、エイヴリーには「悪を感じる」という力を持っていて……
何か、1巻に比べてすごく「シリアス」という感じがする。1巻のときは、お気楽で快楽主義者のアルトにイングリドが振り回されて……というシーンの印象が強かったのだけど、今回は、相変わらずアルトにイングリドが、というのはありつつも、エイヴリーという青年の物語が印象的で、そこまで強く感じなかった。というか、アルトが『アナーキスト・アルケミスト』としてふるまうシーンがほとんどなかったのも大きかったのかな?
で、その物語の中心となるエイヴリー。スパイ養成学校に事実上、ただ一人入学した学生。しかし、堅物で、融通が利かず、教師からも「こいつはダメ」と言われるような存在。しかし、そんな彼がなぜか、推薦されたのはなぜか? そして、「悪を感じる」というのは何か? 冒頭に書いた堅物状態で参加するミッションから始まり、思わぬ存在であると判明し、その中で「正義とは?」に悩むことに。そして……。彼自身の生い立ちから、周囲に振り回され続けながら……というエイヴリーの苦悩、生き様というのがすごく印象に残った。
そして、そういう諸々の背景にあったもの……
一国の皇帝で、アルトをして「万能」と言わしめるジャンの抱えていたもの。拗らせている、と言えばそうなのだろうけど、いくら周囲がもてはやしても、劣等感というのは常にあるものだし、それにしても……。
なんか、シリアスというのと同時に、1巻以上に、登場人物たちが、それぞれクセモノぞろい、だというのが実感できる。

No.5149

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