FC2ブログ

ブラッド・ブレイン1 闇探偵の降臨

著者:小島正樹



警視庁捜査一課の刑事・百成完は足繁く確定死刑囚を収監した脳科学医療刑務所を訪れる。そこには、スイートルームのような独房があり、快適に過ごす一人の死刑囚との面会をするため。月澤凌士。死刑囚にして、未解決事件を次々と解決に導き、「闇探偵」と呼ばれる男である。
ということで、久々に読んだ著者の作品。
物語の中心となるのは、警察官殺害事件の謎を解くこと。殺害された寺河は、周囲からも正義感が強い人物であった、と評判。しかし、少年課に配属されたものの異例の時期の異動により交通課へと配置転換されていた。その理由は、少年係として、未成年者に対して強引な捜査をするなどが問題視されていた。さらに、数年前に行われていた「天誅下し人」事件にも関わっていた、とされ……
ということで、事件の容疑者として挙がったのは、「天誅下し人」事件の仲間だと思われた高校の後輩。しかし、運送会社の社員である彼らは、その事件の最中には仕事をしていた、とアリバイを主張。しかし、そのアリバイは……。本格モノ志向が強い作者らしく、運送会社の社員たちが、どういう風にしてアリバイトリックを行ったのか? さらに、そこが崩れたのちにも……と、論理性を重視する作風は相変わらず。その辺りはしっかりとしていて楽しかった。
ただ、読み終わってみると、その、論理によって解決される事件そのものよりも、仄暗い雰囲気と言うか、そういう部分が印象に残る。
というのは、月澤自身が連続殺人の犯人であり、協力をしているとはいえ、何か裏がありそう、というのがまず1つ。さらに言えば、今回の黒幕とも言うべき存在。勿論、黒幕が逮捕されて終わるわけだけど、その黒幕の動機というのが文字通り、快楽殺人者そのものだし、このまま裁判が、となれば月澤と黒幕が同じ施設に……。それがどういう結果につながるのか、そっちが何よりも気になる終わり方。

No.5160

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0