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左遷捜査2 迷宮入り事件

著者:翔田寛



早朝の荒川で、男性の射殺体が発見された。被害者は、孤独死や自殺現場などの「特殊清掃」を請け負う会社の社長。目崎は、ベテランの棟方と共に捜査に挑むことになり……
物語としては、まず、被害者である社長・山根自身がどういう人物だったのか、というところから。特殊清掃の会社をやっている、という山根だが、その仕事は格安。ただし、その仕事は非常に杜撰で評判も悪い。その一方で、数年前までは便利屋をしていて、そちらは大赤字。にもかかわらず、突如、大型トラックを購入し、業種替えをする、として現在の仕事を始めていた。その資金はどこから? さらに、山根を撃った銃は迷宮入りした強盗殺人事件で使われたものと同じ、やら、死の直前に請け負っていた事案の死者は、山根が名乗っていた暴力団と近しい組織にかつて入っていた、なんていうことも判明して……
シリーズ2作目になるけど、やっぱりタイトルがしっくりと来ないなぁ……。確かに、棟方は上司の方針とかを無視したりはするけど、部署として外れているわけじゃないし、捜査上も明らかなにおかしなことをされているわけじゃない。
で、今回は、そんな目崎、棟方ペアとは別に、棟方に対抗意識を燃やす捜査員・大黒の視点での聞き込みなども加わる。双方が、それぞれのアプローチで被害者はどういう人物だったのか、という形で迫っていき、どちらかと言えば、大黒の捜査結果を重く見るような方向で捜査が進む。しかし、そんな中で、棟方は、「そうだとすると……」という疑問点を目崎に示す。
そういう意味では、仮説を立てては、それを検証して……という本格モノの味わいが強いと言える。しかも、2作目となり、目崎自身もただ、尋ねるのではなく、棟方の言葉などから仮説を立てていくなど、しっかりと成長が感じられるのが良い。こういうと何だけど、2巻目にして、すでに、しっかりとした相棒感というか、師弟感というか、そういうものが感じられるようになっている。この辺り、シリーズ化前提での話の強みだし、それをしっかりと理解しているな、とも思う。
物語自体も、実は犯人は……というところから、別の側面では……というひっくり返し的なところがあるし、しっかりと楽しめた作品と言える。
……で、この引きだと、3作目で一区切り、くらいなのかな? という感じもするが。

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