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君待秋ラは透きとおる

著者:詠坂雄二



唯一無二の力「匿技」。その力は、1000万人に一人、顕在化すると言われている。そんな力を持つ者たちを集める「日本特別技能振興会」。自他を透明化する匿技を持ちながら、周囲と関わろうとしない君待秋ラだったが、振興会に関わったことで……
ジャンルで語るのが難しい作品を書いている著者だけど、本作もそんな感じだなぁ。
読んでいる最中に感じるのは、異能力バトルとでも言うべきもの。物語は、振興会の人間である麻楠が、秋ラを振興会に入れるために接触を図るところから始まる。そして、いきなり始まるバトル。自由に鉄筋を作り出すことが出来る麻楠。それに対し、物を透明化することが出来る秋ラ。そんな二人の戦いが始まり、それでも秋ラは、振興会へと行くことになって……
そこから始まるのは、振興会での日々。日々と言っても、何かエージェント的な活動をする、というわけではなくて、匿技とはいったい何なのか? とか、そういう考察などが、そこに関わる人々とのやり取りの中で描かれていく。秋ラにとって、感覚的に「こうだから」とやっていたその能力を、多方面から、科学的に検証してみる、とか、そういう一種の発見があり……という時間。そして、その矢先に起きた変事……
これまた、異能バトルが行われて……となったと思ったら……
終盤の変事を引き起こした犯人はいったい誰なのか? そして、それはどういう理由によって起こされたのか? という部分に焦点が移っていく辺りは、完全にミステリのそれ。匿技、という異能力の存在を前提に、しかし、論理的にそこが明らかにされていく辺りは、著者の作品だな、というのを感じる。
読み終わると、うまいこと、話に決着がついているし、でも……というのは、ライトノベルのシリーズ1巻目を読み終わったとき、のような感じもするし、そう考えると、ますます「こういう作品だ」というのが難しいというか……。表紙イラストとか、そういうのも含めて、普段、ライトノベルとかを読んでいる層を意識しているのかな? というのは強く感じたところではあるのだけど。

No.5170

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