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未完結ラブコメと運命的な運命論

著者:ゆうびなぎ



「もっと運命的な恋がしたいから」 そんな理由で彼女に振られた砂川凍弥。そんな彼の前に現れたのは、空飛ぶプリン。「おめでとうリン! キミはラブコメの《主人公》に選ばれたリン!」 翌朝、凍弥は転校生の百合ヶ丘ミリカと曲がり角でぶつかり、キスをしてしまう。彼女こそ、異なる世界線から来たラブコメのヒロインで……
という粗筋を書いてみると、イマイチ、どういう世界観なのかわかりづらいので、そこから書いていくと……
空飛ぶプリンが言う「主人公」というのは、文字通り、物語の主人公。そして、ミリアは、途中で打ち切られてしまった物語のヒロイン。打ち切られてしまったことで、彼女がどういう人物なのか、そして、その恋などについて中途半端になってしまった。凍弥は、主人公として、ヒロインとの関係を深めることで、その成就しなかったことを成し遂げ、物語を完結させてほしい、というもの。そして、そのためには、ミッションが与えられ、定められた期限内にクリアできないと……凍弥は死んでしまう……というもの。
こういうと何だけど、結構、ブラックな設定ではある。実際、この作中でのニュースでは、健康だったはずの高校生が突然死をする、という事件が頻発している、となっているし、プリンちゃんのどことなくうさん臭さを感じさせるし。
というかね……ミリア自身は可愛いし、凍弥自身もすごく真面目で、しっかりとしている。だけど、ミッションというのが、最初の手をつなぐ、とかはともかく、パンツを見る、だとか下衆いものもあるんだよね。二人が真面目なタイプなだけに、そのギャップというのが良いんだろうな。アクシデントで、ラブホテルに二人で泊まることになって、とかで手を出さない辺り、紳士すぎる。そして、もう一人のヒロインである未来は……著者の趣味でしょ?(笑) とはいえ、明らかなサブヒロイン(負けヒロイン)枠というか、ある種の当て馬的な感じがある未来、さらには、冒頭で凍弥を振った綾と言った面々が、終盤の「物語を完結させる、ということは……」という凍弥の苦悩を解決するヒントへつながるとか、ただのモブ的な存在にならなかったというのも好印象。ただ、頭が良い、とかじゃなくて、過程を踏んでの締めだっただけに、物語の結末に納得することが出来た。
まぁ、物語として、ここで完結しても良いとは思う。
思うのだけど、もっと、凍弥とミリアと、ゲスなプリンちゃんのミッションのアレコレを見てみたい、とも思う。

No.5173

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