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余物語

著者:西尾維新



大学生となった阿良々木暦は、准教授である家住に「虐待の相談」を受ける。その内容は、自分の子供が可愛いと思えなくなり、数日間、家の中に放置してしまっているので、様子を見に行ってほしい、というもの。早速、准教授の自宅に向かった暦だったが、そこにあったのはナイフを突き立てられた人形で……(『よつぎバディ』)
他に、撫子が「仕事」を依頼される『よつぎシャドウ』を収録。
とりあえず、分量的に多い『よつぎバディ』の方から……。
Amazonとかのレビュー見ると、イマイチっていう評価も多かったのだけど、個人的には、この話、結構、好き。
上に書いたような形で始まる物語。准教授の家にあったのは、檻に入れられ、ナイフを突き立てられた人形。しかも、そこで怪異に襲われる。しかも、その直後、准教授は行方不明になってしまって……。それを、余接と共に調べることになる、という話。
そもそもの状況からして不可解な話。自分の子供を虐待してしまっている、というが、なぜにそれが人形? そして、なぜ准教授は失踪した? さらに、最初に暦を襲った怪異はどこへ消えた? 怪異の存在というのは出てくるのだけど、物語の中心にあるのは、准教授の家の、不可解な状況。それは、怪異の存在を前提としたものではなくて、人為的な行動としても起こり得ること。准教授はいったい、何を隠し、どんな嘘をついている? 調べれば調べるほどに不可解なことが増えていく、ということに惹きつけられた。
そして、突然の、准教授からの独白の手紙……。そこで書かれていたのは……そこにあるのは、凄まじいまでの彼女の幼少期。もう一つの話の方が、親に徹底的に甘やかされた撫子の話、ということもあるんだけど、一見、両者が真逆のように思えて、しかし、根本は一緒。その中で、自分は人を、子供を愛することが出来るようになるのか? そして、普通の生活とは? 歪んだ人生を歩んできたからこその問いっていうのは結構、真面目な話として読ませてくれる。
最終的に、その准教授が実は……というひっくり返しもあるんだけど、そこはちょっと弱め、かな?

No.5174

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