FC2ブログ

淫らで緋色なノロイの女王

著者:岩田洋季



「久しぶりね禊。わたしの可愛い飼い犬」 5年ぶりの故郷の街。禊が級友から聞かされたのは奇妙な噂。かつて、禊の通っていた小学校を支配し、その日々を黒く塗りつぶした女王・ミコが還って来た、というのだ。街で次々と起こる不可解な事件。だが、ミコは禊が自らの手で「殺した」はず……
「全てのヤンデレ萌えに絶望を」
という帯の言葉があるんだけど、これはヤンデレの話と言って良いのだろうか? いや、実際問題として、禊たちを攻撃し続け、学校を支配していたミコ。そして、そして再会した彼女が言うのは、「私を殺して」っていう辺り、一種のヤンデレとも言えるのだろうけど……
とりあえず、物語の前提としているところから言うと……。小学校時代、学校の支配者として君臨していたのがミコ。生徒たちは、その支配に、何らかの形で関与していた。ミコにおべっかを使うもの。公然と反対などはせず、とりあえず、その支配下として振る舞う者。その中で、ただ一人、反発をしていたのが禊たちのグループで、やがて、禊は彼女を殺害してしまう。そんな過去から逃れようと、禊は地元を離れていた。だが……
そもそもが、人間の黒い感情を察知し、その感情を「押す」ことが出来るというミコの存在は超常現象的なものではある。しかも、その存在が前提となり、禊自身が複雑な気持ちを宿しながらも、街で起こる事件の謎を解くことに。
という感じではあるのだけど、ある意味では、一つの事件の余韻とか、そういうのが印象に残る。超常現象とはいえずとも、支配者がいて、というような学生生活。敵対するにせよ、従うにせよ、それぞれの心に大きな傷をもたらす。それは、対立した、というだけでなく、一緒にいた仲間であっても、自分はあいつのようにできなかった、という悔いとか、そういうものとして。そして、その積もりに積もった感情が「呪い」となって……。さらに、禊にとってのミコ、ミコにとっての禊の関係……
ファンタジー要素は当然のようにある。あるのだけど、仮にそれがなかろうとも、色々と思うところは残る。

No.5180

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0