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マツリカ・マハリタ

著者:相沢沙呼



学校の向かいにある廃墟ビルに住み、望遠鏡で校舎を観察しているマツリカさんに命じられ、学校の怪談を調査する日々を送る柴山。1年生のときに自殺した、という少女の霊が何年かに一度現れる、という噂が聞こえる中、写真部の部室から逃げ出した、という1年生が消える、という事件が起こって……(『落英インフェリア』)
からの連作短編集シリーズ第2作。全4編を収録。
1作目の『マツリカ・マジョルカ』は、各編が結構、バラバラな中で、主人公・柴山自身の謎へ……という形だったのだが、今回は、1冊全体を通して「1年生のりかこさん」という怪談が物語に関わり、さらに、学校に居場所を感じられていない柴山が親しくしている小西さん、新たに知り合った高梨くんと言った面々を中心にした写真部関連のエピソードが多め。そして、「学校」という居場所に関する部分のテイストが強く出ているな、というのを感じる。
例えば1編目。写真部に仮入部していた1年生が突如、姿を消してしまった。部室棟の部室は、写真部以外閉鎖されていて、そこから逃げてきた生徒は、必ず柴山と遭遇していたはずなのに、柴山は出会っていない。どこへと消えた? 謎そのものは密室トリックそのものなのだけど、そこが判明した後に明かされる逃げた少女の動機。学校という狭い空間。知り合いも沢山いる。そんな中で、一度ついてしまった立ち位置、そして自らに設定してしまった劣等感。特に後者は……それでも、ハッピーエンドになっているのが救いではあるのだけど。
その後も、密室状態の部室で、なぜか感光されてしまったフィルムとかも、同じような感じ。どちらかというとホワイダニットの方が印象的。
そして、そんな物語は、マツリカさん自身の謎へ……。今回の話の中でも、明らかに柴山を挑発している、としか思えないような行動と、同時に女王様的に命令を下していたマツリカさん。そんなマツリカさんが、突如として姿を消してしまう。廃墟ビルを撮影しに行った、という写真部の面々は、マツリカさんがいた形跡はなかった、という。そして、ひっそりと柴山が見たマツリカさんの生徒手帳には「りかこさん」の本名が……。マツリカさんは幽霊だったのか?
なんか、柴山の勘違いの原因の一つが、アンジャッシュのコントみたいなオチが紛れているような気がするのは秘密。けれども、読者としても、マツリカさんの個人情報とか、そういうものが全て謎で、柴山が得た情報を積み重ねると……というのはよくわかる。そして、何だかんだと文句を言いつつも、柴山にとって大事な存在になっていた、というのも。その辺りは凄くよかった。
……で、マツリカさんはいったい、いくつなんですか?(死ね)

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