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写楽・考 蓮丈那智フィールドファイル3

著者:北森鴻



全4編を収録した連作短編集。タイトルの通り、シリーズ第3作。
前作を読んだのは、実に6年前だったことに驚愕(笑) そのおかげで、何となく雰囲気を覚えているかな? というくらいだったのだが、読み始めて、キャラクターなどについても一気に入り込めた。
今回は、比較的、三國を始めとした周囲の面々の活躍が多かったかな? という印象。そもそも、三國が那智の調査の下調べと称して、問題となっている地へと赴き、そこで事件に遭遇し、最後の最後に那智が出てきて……というパターンが多いため。どちらかというと、同じ研究室に属する由美子との絡みの方が多いかな? と思える。また、どちらかというと天敵のように描かれていた狐目の事務員が意外な活躍を見せるのも見どころかな?
例えば1編目『憑代忌』。大学内で三國の写真を形代にした願掛けのようなことが流行っている。そんな中、三國は、大名主の家に伝わる人形についての調査を命じられる。ところが、その肝心の人形は紛失し、惨殺体のような状態で発見される。さらに、その当主が人形と同じように殺害されて……
これ、ミステリ読みこそ、騙されるんじゃないだろうか? まず、人形が殺害され、それと同じように実際の人間も。所謂「見立て殺人」。そう思っていたら……。考えてみると三國の推理には穴がありすぎるわけで、それを上手く制した謎解きが面白かった。
正直なところ、民俗学というものがイマイチ何だかよくわかっていない自分がいるのだけど、資料の中にある様々な事柄。さらに、それを実際の事件に関わらせて一つの解釈を得る。それが、本当に、その通りの真相なのかはわからない。けれども、そうとしか思えない。そういう独特の味付けは、やっぱりこのシリーズの醍醐味だな、というのを想わざるを得ない。

No.5206

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