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ハル遠カラジ3

著者:遍柳一



テスタのAIMDを治すことのできる医工師を求め旅をする一行。その中で、ハルは最近、物思いにふけることが多くなっていた。そんなハルのことを気に掛けるテスタだったが、そんなとき、一人の女性型アンドロイドを救出する。ローゼというそのAIは、想いを寄せる人間に逢うため、アフリカから中国まで来たという……
なんか、前半と後半で、一気に、ガラリと変わるカラーが印象的。
物思いにふけることが多くなったハル。そんなハルの変化について、人間的な成長であると解釈するテスタたち。想い人に会いたい、というローゼの旅に同行。その中で、恋愛等についてイリナが解説(?) さらに、メイド型AIのアニラが、ひっそりとついての、ハルの「はじめてのおつかい」。前半はとにかく、ハルのことを見守る「母」としてのテスタのアレコレ。その中で、「人間」としての成長を遂げていくハル。色々とツッコミどころのあるハルの言動ではあるが、しかし、「母」としてのテスタに対する愛情。共に旅をする家族としての一行への思い。人間社会の一般常識とは違ったこともあるけど、でも、ハルのある意味、直感的な、そして、まっすぐな想いというのも感じられる「ほっこり」とした雰囲気が心地よい。
そして、そんな旅は、目的の通り、医工師の元へとたどり着いて……
テスタの病を治すために行われるちょっと変わったやりとり。そんな医工師を守るAIたち。さらに、AIたちの最期の姿……。それぞれ、印象的ではあるが、しかし、それぞれの想いが……と思われたところで……
1巻の時点で、野生児状態であったハルを引き取り、それを色々と苦労しながらも育てていたテスタ、というのが描かれるわけだけど、そんなハルの過去のアレコレ。凄惨な時代にあり、とにかく、「生きる」ことをに必死だったところから始まり、しかし、テスタ、イリナ、アニラ……という存在と出会い、「人間」としてのアレコレを教わった。だからこそ彼女に生れてしまったもの……。テスタ視点で、色々と問題貼りつつも、良い方向に来ていたのだ、と感じられていたものが、だからこそ、というひっくり返しが物凄く印象的。まさに、衝撃、という感じなんだよな。
物語全体を通してみても、白髪の「イノセント」という存在とか、そういう部分も密接に関わっている、というのがわかるし、そういう意味での上手さも当然にある。
第三者的に、つまりは、距離を置いてみるなら、ハルが、そして、テスタがそう感じた、というのも大きな成長だし、それを乗り越えれば……という想いも当然にある。だからこそ、この絶望的な状況を、これまで培ったもので乗り越えてほしい、と感じる結末だった。

No.5227

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