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ファミリーランド

著者:澤村伊智



SFマガジンに掲載された作品を中心に収録された短編集。
著者の作風は、現代的なテーマを題材に、ホラー的な味付けをしている、という感じになると思うのだけど、本作は収録された雑誌などの関係もあるんだけど、近未来的な設定のエピソードが多い。
例えば1編目『コンピュータお義母さん』。結婚をし、夫と息子との三人暮らし。しかし、そんな妻の元へ、常に届く義母からのメッセージ。老人ホームに入っているはずなのに、家の中のあらゆるネットワークを駆使して、まるで一家を監視しているかのように……。あと少しの辛抱。パート先の先輩はそう言ってくれるが……。ネットワークによって繋がること。それがちょっと方向を変えたら……。オチの部分はともかくとして、テーマとしては現在でも、十分に通用するものがあると思う。
婚活の為、マッチングアプリに登録した主人公。だが、そこに登録するためには、大量の写真を登録する必要があるという。それは……。これも、1編目と近いような印象。SNSなどに登録した写真などから、その人がどこに住んでいて、どういう生活をしているのか? とか、そういうのがバレてしまう、なんていうことがあるけど、それを利用した形での婚活というのもまた……。そして、その結婚生活もまた……
収録された話を見ると、近未来。そして、ネットワークとか、そういうものが発達した社会、ということで、その中での「怖さ」が強調された物語が多い、という印象。ただ、そういう世界になったらまず、注目されるのは間違いなく、そういう部分だよね。そういう意味でのリアリティがあり、それ故に、題材としても多く使われたのかな? という気がする。
何と言うか、心霊現象が起こって、とか、そういうタイプの作品ではない。しかし、だからこその、テクノロジーの発達の中でこういうことが起こるんじゃあるまいか? という気持ち悪さ、怖さ、そういうものを感じさせる作品集だと思う。

No.5232

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