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湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君

著者:冬月いろり



魔王を倒し、平和を取り戻したはずの最果て図書館。ところが、事件は突如起こった。館長・ウォレスが役目を終えたはずのケルベロスの間を訪れると、そこにいたのは剣で身体を貫かれ、磔状態にされた美女・ヒルデが……。彼女は、「湖底の博物館」から逃げてきた、と言い……
シリーズ第2作。
前作は、鏡を通して、遠く離れたところにいるルチアと、ウォレスがやりとりをして……というようなアレコレと、そこから翻ってのウォレス自身の問題へ……。緩い、というか、日常のエピソードからだんだんとシリアスへ、という感じだったのだけど、今回はいきなりシリアスな方向から開始。
何しろ、磔状態の女性が現れて……だからね。しかも、逃げて聞いた「湖底の博物館」の館長・マリーアンジュは心を病んでいて、全てを自分のものにしたい、という願望を描いている。ヒルデを助けたいが、しかし……。そんなときに図書館に訪れたトレジャーハンターのロットが訪れ、博物館へ向かうのだが、そのまま……
前作、魔王を倒し、ウォレス自身が自分の意思で、っていうのがテーマだったわけだけど、今回はその成果もあってかなり積極的に物語にあたっている印象。まぁ、勿論、博物館側が、図書館を自分のものに……なんていう危機もあるわけだけど。それでも、前作を見ていると、大分印象が変わる。
その中で、物語の主題となるのは、ヒルデとマリーアンジュの関係。全てを手に入れたい、というマリーと、元々、博物館を作ったヒルデ。そして、館長は幼いマリーアンジュへと移ったわけだが……。互いが胸に抱えているものがあり、それが錯綜する中でこじれに拗れて……。そんな悲劇的な関係性と、それを上手く解きほぐしての完結は、前作同様、ほっとする部分があって良かった。個人的に、バトルシーンとかは、そこまでいらないと思っているのだけど、前作同様、話自体が綺麗にまとまっていて、読後感は良い。

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