FC2ブログ

伊勢佐木町探偵ブルース

著者:東川篤哉



横浜の老舗商店街・伊勢佐木町に事務所を構える探偵・葛城圭一。時代遅れなスカジャンをあいようする舎弟の真琴と共に活動をしている。そんな圭一の母が再婚したことで、伊勢佐木署のエリート刑事・脩が義弟になってしまって……
という連作短編集。全4編を収録。
一応、お約束なので、言わせて……
また、短編集か!
また、新シリーズ(?)か!
と書いてみたのだけど、今までの著者の作品と比べると、ギャグは薄目。舎弟である真琴の存在とかは、色々とツッコミどころはあるのだけど、あくまでも圭一はツッコミ役で、主人公も含めて奇行をしたり、というようなことはほぼない。そんな中で、事件が起こり、義弟となった脩と何だかんだとバッティング。その情報なども併せて、謎を解く、というのが本作のパターン。
今回の作品集については、最新のテクノロジー、っていのがテーマなのかな? と……
例えば1編目。女性から飼い猫の捜索を依頼されていた圭一。残念ながら、その猫は、交通事故で死亡してしまったようだ。そんな報告をしたが、その女性は直後に失踪。そんな依頼人の家の近所では、窃盗事件、殺人事件が起きていて、依頼人は、ある男を探していた。その男は、殺人の容疑者としてマークされていて……。なぜ、依頼人は男を探していたのか? 接点は? それをあるものが繋ぐのだけど、いかにも昨今だから、という感じがする。
話として好きなのは、3編目『家出の代償』。家出した少年を探していた圭一。ところが、少年が家出をした夜、その祖父が何者かに殺害された。しかも、少年は、その家で直後に祖父の家へと行っていた。自分は犯人ではない、という少年。少年を追う何者か? その理由は? こちらも、ある病と道具というのが鍵になっている。犯人の正体とかは、それがわかれば、ということで、そこの謎解き要素は薄いのだけど狙われる少年を守ろうとしての攻防とかの緊張感があり、十分に満足できた。
3編目の感想にも書いた通り、テクノロジーを題材にしても、それですべて解決はできない。けれども、最初から容疑者が絞られているとか、1つの突破口が見つかることで謎が解けるようにうまく設定されているし、強引さ、というようなものは感じない。上手く、設定が練りこまれた結果ではないかと思う。
もうちょっと圭一と脩の関係性とかに掘り下げがあっても良かった気はするが、読んでいて面白かった。

No.5257

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0