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マツリカ・マトリョシカ

著者:相沢沙呼



学校の近くにある廃墟ビルに住むマツリカさんに命じられ、怪談についてを探る日々を送る柴山。そんなある時、偶然出会った1年生の春日さんから、『開かずの扉の胡蝶さん』という怪談を耳にする。2年前、密室状態の第一美術室で女子生徒が襲われた事件。解決されないままに時が過ぎたそれを調べている柴山が、その部屋へはいると……制服を着せられたトルソーが散らばる蝶の標本と共に転がっていた。しかも、柴山は、その制服を盗んだ容疑をかけられてしまって……
シリーズ第3作。
これまでの2作は短編集という形式だったのだけど、今回は、長編エピソードになっている。
物語の主軸となるのは、過去の密室と現在の密室の2つ。しかも、柴山が、先輩の制服を盗んだ、という疑いをかけられている状態で、タイムリミットのある状態で、その犯人を暴かねばならない、という形に。挙句、ちょっとした(?)出来事により、マツリカの協力を得られない、という中で、柴山は、写真部の面々らと謎解きに向き合うことになる。
謎解き、そのものは、所謂物理トリックから、心理トリック、はたまた、そもそも密室じゃない、というような方法論に至るまであって、その仮説を打ち立てては、それを消していって、というような形で進んでいく。
で、今回の話を読んでいて思ったのは、柴山の置かれた状況っていうのは、大分、変わってきているんだな、ということ。
『マツリカ・マジョルカ』の頃って、周囲と打ち解けるとか、そういうものがなく、ある意味、マツリカさんだけが近くにいた、という環境。しかし、今回は、後輩である春日さんや、写真部の面々と喧々諤々の謎解き合戦をして、とちゃんと、他者と打ち解けている、というのがよくわかるわけである。しかも、その中で、自分を陥れた相手が判明した時、かつての自分を顧みて……。
謎解き部分も勿論、見どころではあるのだけど、それ以上に、柴山自身の変わったところ、変わらない部分。そう言うものが印象に残った。

No.5268

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