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かくしごと承ります 筆耕士・相原文緒と六つの秘密

著者:十三湊



卒業文集や招待状などの宛名などを毛筆で書く仕事をする筆耕士の相原文緒。内気で、真面目な文緒は憧れの先生・都築から請け負った仕事などを丁寧にこなしていた。そんな中、彼女の前には、しばしば、文字に纏わる不思議な話に遭遇して……
ということで、一応、連作短編形式で綴られる物語。
粗筋では、不思議な話、とあるのだけど、どちらかというと、日常の謎形式。そして、何かトラブルが起きて、それを解決して……というよりも、「あぁ、こうだったのか」くらいの話が多い印象。そして、文字(書道などに関する)などの蘊蓄が多く綴られている。
第1章。地元の和菓子屋から頼まれたお品書きについて。亡き先代が、書いていた、というお品書き。書道などを習った形跡のある美しい字。そして、先代の後を継いだ、という娘の、正直なところ下手な文字。だが、その中に、先代と似てはいるが、しかし、違う文字があって……
ある意味、物語としての方向性をしっかりと示した話なのかな? と。文緒からも「下手」と言われてしまう現在の女将さん。その女将さんが、下手という自分の娘。しかし……。硬筆と毛筆の違い。母娘三代の中にある人間関係。謎そのものは明らかに。でも、全てがハッピーエンドか? と言えば……。そういう色々なものが詰め込まれている。
素直に話としてすっきりとしたのは、第4章。学生時代の親友が結婚することになった。そのあて名書きを頼まれた文緒。しかし、話を聞いていても、何か感じる違和感。しかも、お相手は、過去、何度も結婚歴がある年上の男性。親友は大丈夫なのか? 明らかになる真相は、決して明るい話とは言えない。でも、優しさに溢れたが故の結末。これはこれで、一つの幸せの形、なのかも……
そんな中で、文緒と、都築のアレコレなども描かれ、その中で文緒が都築に対して持っているかくしごとなども……。そんな中、かつて、都築を大学教員から追いやった存在からのアクセスがあり……。
ストーカー、怖っ!!
っていうか、筆耕士自体が狭い世界。その中で、書道などを、という形で調べれば簡単に割り出せる。というのは確かだと思う。その中で、相手のことも心情として理解できないではない。でも……という心苦しさも。ただ、随分とあっさりと引き下がったなぁ、という感じもしたり。
文字を巡ってのアレコレとか、興味深く読むことは出来た。ただ、まとめはちょっとアッサリとしていたかな? と。

No.5278

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