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ヴェールドマン仮説

著者:西尾維新



祖父が推理作家で、祖母は法医学者。父が検事で母は弁護士。兄は刑事で、姉はニュースキャスター。弟は探偵役者で、妹はVR探偵。そんな一家のサポート役である僕は、ある日、ロープ代わりにスカーフで首を吊った少女を発見する。幸い、一命を取り止めたものの意識不明。そんな僕に、キャスターである姉は、布を使った連続殺人犯・ヴェールドマンがいるのでは? と伝えてきて……
これは、単発の話、なのかな? 一応、著者の100作品目、ということらしいのだが(もっとも、巻末の一覧だと、コラボ作品とかが抜けているので、実際の100作目は既に、って気がするのだけど……)
ということで、粗筋に書いたように、布を使った連続殺人鬼がいるのでは? と伝えられた主人公の真雲。そんな姉のヒントを頼りに、調べてみると、顔を布で覆われて撲殺された女性。さらに、顔に布をかぶせられ、鼻血によって窒息させられた老女、という共通点を持った未解決事件があったことを知る。首をつっていた少女も、顔がナップザックで覆われていた。顔を布で覆い、しかも、布を凶器に使った殺人というのが何の為なのか? 「ヴェールドマン」がいる、という中で、真雲はその行為などを考察していくことになる。
ネタバレ気味になると思うけど、終わってみると多少、肩透かし的なところはある。あるんだけど、このまさしく仮説が成り立っていく様。その中で、色々と考えてしまう様。これって、人間の心理作用とか、そういう部分を表しているよな、というのを思う。様々な事象から、都合の良い部分を見て話を組み立てる。そして、そこから……。作中、幕間と称して、殺人をした、という人物の独白が入ることで、読者の側も存在を意識していくわけだけど、そういう意味では読者もまた、そこへと取り込まれていたのだろう。
最も、一家が探偵とか、それに近い職業にあって……とか、そういう設定が十全に活かされているか? と言えば、疑問も多い。色々と出てくるけど、姉と妹くらいしか活躍していないような感じがする(間接的には、弟も活躍している気がするが) その辺はちょっと残念。

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