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オタクと家電はつかいよう ミヤタ電器店の事件簿

著者:田中静人



「うちの社長は笑いません。ですが、お客様の笑顔のために努力しています」 転職を考えていた森野美優は、訪れたミヤタ電器店の求人広告に心惹かれる。そこでは、家電に詳しいが人の心の機微を理解できない店長・宮田と共に、「なんでも対応」をポリシーに家電に纏わる不可思議な出来事と、その裏側にある人々の想いを解き明かすことになって……
という連作短編形式で綴られる物語。
まず思ったこと。
オタク?
いや、この作品の「オタク」は所謂、漫画とか、アニメとかが好きな人、じゃなくて、家電オタクということになると思うのだけど、この作品に登場する宮田の場合、「家電オタク」というよりも、アスペルガー症候群とか、そういうものじゃないかという気がする。
という形で始まるのだけど、物語の流れと言うのはある程度、パターン化されており、ミヤタ電器店に持ち込まれる家電に纏わる不可思議な謎。相手の家などに行って、なぜ、その現象が起きるのか? というのを宮田が見抜く。しかし、心の機微とかに疎い宮田には、なぜ、そのことが起こされたのか? というものがわからない。そこで、美優がその動機を解明していく……というもの。
例えば2編目。空気清浄機が動いているはずの部屋で、その家の子供がカビが原因の体調不良になってしまった。なぜ、体調不良になったのか? と言う原因は宮田が解き明かす。でも? その家に起こっていた変化。そして、その中での原因となった人物の複雑な想い。その辺りが、かなり上手く描かれていたエピソードだと思う。
そんな中、美優自身の周囲でもおかしなことが。作中、「幕間」と称して、美優をストーキングしている人物が描かれ、さらに、美優自身もつらい過去を持っていた。そんな思いが重なっていって……。ちょっとした仕掛けと、そこからのひっくり返し、っていう部分は上手く機能している。そして、そういう面があるのならば……という点で納得することも出来る。出来るんだけど……なんか、まとめ方が綺麗過ぎる気がしないでもない。そこまでされて、素直に引き下がるか、とか、被害者側は……とか、そういうのを思うと……
まぁ、野暮なのはわかっているし、話をまとめる、という意味では、こちらの方が良いのは確かなのだけど……

No.5309

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