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戦うパン屋と機械じかけの看板娘10

著者:SOW



皆に祝福され、結婚式を挙げたルートとスヴェン。そんなスヴェンの願いは、機械として、ではなく、人間としてルートと同じ時間を歩みたい、ということ。だからこそ、スヴェンは、人化の方法を知るマイッツァーを探すのだが、そのマイッツァーは保安部の手によって誘拐されていた……
シリーズ完結編。
これまで、ある意味で小出しにされてきた世界設定とかのネタが一気に回収されるのに驚いた。
物語としては、人化をしたいスヴェンがマイッツァーを追いかけて、というところから。そのマイッツァーを拉致したのは、聖女とされる存在。そして、マイッツァー自身がその聖女と並び立つ「悪魔」。だが、世間一般で言われているそれらの伝承とは逆の状態。さらに、ゲーニッツの意思を継ぐ、というよりも、ゲーニッツの思惑をさらに曲解し、ただただ戦争をしたいがために動く者たち。聖女の信者たち。そして、第二次世界大戦へ向おうとする国際情勢……
世界観としては、世界規模そのものなのだけど、ルート、スヴェンにあるのは、あくまでも「共に歩みたい」という思い。敵となる聖女にあるのも、歪んだ自己顕示欲とでもいうべきもの。さらに、ソフィアやブリッツドナー、ダイアンと言った面々の想いも……。それぞれ、立場もあるし、国に関与もしている。でも、結局は、本人の想いと言う部分が強調され、それが自らの「意志」へと繋がって……という最後の戦いが面白かった。そして、その戦いの中で消息を絶つルートとスヴェン……
一瞬、バッドエンドかな? とも思わせておいて、ちゃんとハッピーにまとまるところとか読後感も良かった。いい最終巻だった。
……と思う一方で、やっぱり、日常エピソードが最後に欲しかったな、と思ってしまうのも事実だったりする。「人」となったスヴェンの戸惑いとか、ルートとの結婚生活でのアレコレ。ルートに変わってトッカーブロートを切り盛りするミリィ……。色々と描けそうな話は色々あると思うんだよね。番外編短編集みたいな形で後日談エピソード、出してくれないかな?

No.5310

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