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美少年蜥蜴 【光編】

著者:西尾維新



眉美を除き、全員がいなくなってしまった美少年探偵団。彼らを探すため、眉美は、リーダー・双頭院学の兄であり、探偵団の創設者でもある踊の元を訪れ、アドバイスを求める。そのアドバイスは、「美術室へ戻れ」というもので……
シリーズ最終編の前半戦、ということになるらしい。
……まぁ、ぶっちゃけ、「物語」シリーズとか、最後、と思わせておいて全く終わっていないシリーズも多いので、どこまで信用して良いのか悩むところではあるのだが(笑) ただ、前作辺りから見え隠れしていたテーマ性みたいなものが、かなりはっきりと見えてきた、というのは感じる。
物語は冒頭に書いた通り、美少年探偵団の面々が失踪してしまって、それを眉美が探す、という形で始まる。探偵団の面々がいなくなり、なぜか、「普通の」学校の生徒たちのようになった指輪学園の生徒たち。聞き込みをしようにも、何か、及び腰な態度を取られてしまう。そして、探偵団の創設者である踊は、探偵団を「卒業」したという人物で、勿論、弟たちを心配はしているのだが、なぜか枯れた、という印象を漂わせる。そんな中で、踊のアドバイスを頼りに美術室を訪れ、そこからヒントを得るのだが……
元が江戸川乱歩の「少年探偵団」ではあるのだけど、前作から見え隠れしていた「卒業」という言葉。そして、ある意味では「井の中の蛙」というような諺。そういう部分に焦点が当てられている、というのを感じる。これまでのエピソードにおいて、突出した才能、というのを示していた探偵団の面々。しかし、それは学校という小さな世界の中だからではないか? そして、そのような流れに、探偵団の面々も? そのようなものが示される中、眉美は、探偵団の面々を探し求める。そうじゃない、と信じて。
一応、最終編の前半戦、ではあるのだけど、話のテーマははっきりとしているし、一つのエピソードとしてはしっかりとまとまっている。これはこれで、一つの作品としてアリなんじゃないかと思う。
勿論、これで何か打破して物語が完結、と言うのでもよいと思う。ただ、これまでのエピソードの中で、この作品世界において、教育システムとか、そういうものが一見、現代のそれっぽく思えたけど、全く違うのだ、なんていうのも示されているわけで、そういうところをどう回収してくれるのかな? なんていう期待をしてみたいところ。

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