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美少年蜥蜴 【影編】

著者:西尾維新



因縁の人口島・野良間島に、行方不明となった仲間たちが。胎教委員会の支配する学園に囚われた仲間を奪還したものの視力と意識を失った眉美。再集結を果たした美少年探偵団だったが、彼らにもたらされたのは、実現不可能としか思えない依頼で……
シリーズ完結編。
いよいよ、胎教委員会との決戦! と思いきや、思いのほか、敵の存在感が薄かったような……。ただ、物語としては綺麗にまとまった。
前編ともいえる『光編』では、眉美が探偵団の仲間を探し、その甲斐あって奪還に成功。しかし、その代償として視力を失い、しかも、そのショックにより三日三晩、眠り込むことに。その間に、復活を果たした探偵団は、胎教委員会のトップ・美作美作と対決、そして、その中で彼は、全員を元に戻してほしい、ということを依頼されてしまう。
体調不良の眉美を島から脱出させる、ということであれば難しいが、何とかなるかも知れない。しかし、全員を、というのは……
そもそも、探偵団が消えた指輪学園の様子。一種の天才たちが消えた学園。しかし、学園は通常通りの日々を送り、むしろ、探偵団がいた頃よりも「普通」とも言えた。そこから一度は外れた彼らに戻る場所はあるのか? しかし、その一方で、胎教委員会のやっていることは正しいのか? という疑念。そんな中での探偵団の奮闘。
正直な話、かなりこじつけな感じはする。するのだけど、そこで突きつけられたもの。自分がいなくなっても滞りなく世が進む、というのは万能感とか、そういうものから現実を知ることになる、というのはある意味で成長の過程ともいえる。言えるのだけど、じゃあ、それを諦めるのが良いのか? と言えば……。抗うからこそ、より良い方向へ、とか、そういう進化とかへも繋がっていく。そのせめぎ合い。そんな中で、眉美を巡っての、探偵団の友情。そういうのが詰め込まれていて、物語の主題っていうのはしっかりと感じられた。
ちょっと物足りなさがないわけではないが、でも、綺麗にまとまったな、というのも同時に思う。

No.5336

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  • 2020.02.15 (Sat) 22:21 | 刹那的虹色世界2.0