FC2ブログ

ホーンテッド・キャンパス 夜を視る、星を撒く

著者:櫛木理宇



こよみを家に招く。そんなことに気持ちが舞い上がる森司。そんな森司たちの大学に、アイドルのように人気を集める霊能者・巧が現れる。その巧は、自分の力が低下しており、引退を決意。最後の仕事するにあたり、森司らの「視る」力で手助けしてほしい、と依頼してきて……
からの3編を収録。シリーズ第16作。
今回は、引き継いで、より強化された想い、とでも言うようなものなのかな?
とにかく、その力が圧倒的なのは、冒頭に書いた1編目『塁ヶ淵百貨店』。冒頭に書いた通りの形で、心霊番組に参加することになったオカルト研究会。ロケ地として赴いたのは、かつて映画の撮影中に女優や子役らが死亡する事故の起きた廃百貨店。様々なモノがいる仲、何とか安全な場所へ、と誘導しようとするが……
依頼人である巧。その巧を巡る家族関係。嫌々ながら、仕事に就く巧と、それにおんぶにだっこな両親。そして、そのせいで不登校になった妹。さらには事故で死亡した女優の抱えていた事情。そういうものが重なりに重なって……。何となく、こういう構図なのかな? というのは見えてきて、実際、それに近い形で決着したと思ったら……。これだけ、オカルト研究会が「何もできなかった」終わりっていうのは久々な気がする。
一方の3編目『赤珊瑚 白珊瑚』。一緒にしておかねばならない一対の珊瑚珠の一方を、別れた元同棲相手が持っている。しかし、その同棲相手は、ブラックバイトで連絡がつかない……。一見、霊とは関係のなさそうな話。実際、森司は、こよりとの方を優先せよ、という形になる。しかし、その珊瑚珠を最初に送られた双子の置かれた厳しい運命。
人買い、かつての工場労働者たちの置かれた状況。その中で培われた女工たちの想い……。流石に……という気がしないでもないけど、でも、生活のためにバイトをしなければ……という現在の大学生と、それを上手く利用するブラックバイトをさせる企業。その中で、リーダーとか、そういうもので立場を分断して……という構図。それって考えてみれば、雇い主側に都合の良い状況を作るっていうのは間違いない。それって、決して健全とは言えないわけで……。結構、社会問題とか、そういうものを反映した話と言えると思う。
その上で、森司とこよみについては……
こよみさん、最早、具体的な将来を考えすぎ!(笑) そして、一番のライバル的存在が……
何もしてないのに、なんか、一歩進んでいるぞ、おい!(笑)

No.5360

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
他のブログなどに、全文を転載することは許可しておりません。
「新・たこの感想文」以外で全文を転載したブログ等がありましたら、それは著作権を侵害した違法なものとなります。

スポンサーサイト



COMMENT 0