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怪盗の後継者

著者:久住四季



「君には才能がある、一流の泥棒になってみないかい?」 平凡な大学生・因幡は助教・嵐崎に勧誘される。嵐崎によれば、因幡の生き別れの父が大怪盗であり、嵐崎は自分を勧誘するために大学に紛れ込んだのだという。嵐崎の狙いは、次期与党の総裁と目される大物政治家・早乙女。そして、早乙女は因幡の父をはめた男だという……
トリックとか、そういうのは確かにあるんだけど、これまで読んだ著者の作品とは大分、イメージが異なる作品だな。
冒頭に書かれているように、ひょんなことから自分の父が大怪盗であったことを知らされ、その後継者として父の仇を狙うことにした因幡。狙うは、早乙女の不正の証拠。因幡は、そのための訓練をしながら、仲間として、凄腕の運び屋、ハッカー、道具屋……と言った面々をそろえて計画を打ち立てていく……
言っちゃ悪いけど、結構、登場人物たちがチートとでも言うような能力を持っている面々。そんな中で、素人同然の因幡は、とにかく訓練。ただし、その訓練は、暴力団事務所から金を盗むとか、その時点で相当にハードではあるんだけど(笑) そんな描写が序盤は続いていく。そして、早乙女との宣戦布告。それに対して、自らの将来と、さらに怪盗との戦いに燃える早乙女もまた、嵐崎らとの戦いに挑む。そして、いざ……
超高層のホテル。早乙女の政治パーティーも開催されている中の実行。嵐崎が因幡に目を付けた原因である、ここ一番での強さ。何度かのピンチはありつつも、しかし、予定通りに進む。しかし、早乙女視点では完璧なセキュリティの中で、異変が生じた部分は殆どない。逃げること自体が出来ないハズ。それなのに……というところで。
ここでは、しっかりと著者らしいトリックが使われている。それまでのエピソードの中で、色々と状況について綴られている。しかし、読者は軽く読み捨てるだろう部分がしっかりと、という辺りは流石。その辺は確かに著者らしい。
でも、どっちかと言うと、一種のスポ根ノリで因幡の成長を描いた作品、という印象が強い作品だな、と感じる。

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