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ハッピーアワーは終わらない かがやき荘西荻探偵局

著者:東川篤哉



シリーズ第2作となる連作短編集。全4編を収録。
前作を読んだのが2016年12月なので、3年ちょっとぶりに読んだのだけど、飲んだくれのアラサー女性3人。家賃は滞納気味。そんな3人が家賃の代わりに大家である法界院家が関わった事件の解決を依頼されたり、自分たちが巻き込まれたりして事件に関わっていく……
正直なところ、1つの謎という点が強く、しかも、結構、予想がついてしまうなぁ……という感じ。
1編目『若きエリートの悲劇』。大手重機メーカーの御曹司。許嫁もいるのだが、なぜか関係は進まない。もしかして、彼は他に恋人が? 3人は、御曹司の行動を追うのだが、ある夜、公園で彼が他殺体で発見される。しかも、遺体は全裸になっていて……
このネタ自体は某作家の作品で見たことがある気がする。……ある気がする、というか、その御曹司の、些細な秘密と、それを守ろうとした人物の行動でややこしいことになってしまった、というパターンではあるんだけど……事件そのものは凄くシンプルなんだよな。
2編目『ビルの谷間の犯罪』。雑居ビルの谷間で発見された女性の遺体。しかも、そこには、かがやき荘の住人・礼菜が……。礼菜は容疑者として追われることになるが……。収録中では、最も物理トリックに拘った作品じゃないかな? 被害者は、遺体発見現場に隣接したビルに住む男の愛人。しかし、その男はビルから出ておらず……では? まぁ、厳密にいえば、色々と痕跡が残りそうな気はするんだけど、それは気にしちゃいけないか。
先に、予想できる部分がある、というのを書いたのだけど、ちょっと各編を振り返ってみると、4編なのだけど、トリックやら、事件の内容とかに同じようなパターンがあるな、というのも感じる。そういうところも、「うーん」と感じてしまう理由なのかな?
まぁ、いつも通り、気楽に読める作品であるのは確かなので、ガッツリと謎解き、というよりも、ちょっと謎のあるギャグ作品くらいの方が良いのかな? と。

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