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声優ラジオのウラオモテ#01 夕陽とやすみは隠しきれない?

著者:二月公



偶然にも同じ高校に通う仲良し声優コンビとして始まった『夕陽とやすみのコーコーセーラジオ』。ほんわかラジオとして始まった番組だが、実際の二人はギャルのやすみと、地味で毒舌な夕陽という相性最悪な関係。相手を罵倒しながらも、なるべく嘘をつきたくない、とやりとりを重ねて……
第26回電撃小説大賞・大賞受賞作。
これが、今年の電撃小説大賞か……
こう書いちゃうと、何か期待外れみたいな印象を与えてしまいそう。そんなことはなく、しっかりと面白かった。面白かったのだけど、これまで電撃小説大賞の大賞受賞作ってフェンタジー色とかが強めのものが多く、現代社会を舞台に、異能力とか、そういうものが一切ない作品って珍しい気がする。なんか、こういう作品って銀賞あたりのイメージなんだよな。
で、本作の主人公は、歌種やすみこと佐藤由美子の方かな? 駆け出しの声優で大きな役などは殆どなく、学校ではギャルとして過ごしている。そんな彼女がラジオ番組のパーソナリティに抜擢。しかも、相手は同じ女子高生声優で、既に大きな役などを持っている夕暮夕陽。ところが、いざ、対面した夕陽は、クラスでも地味で、しかも毒舌で対立していた渡辺千佳だった。
実は仲の悪い二人が……みたいな感じで書かれているんだけど、そこまで、でもない気がする。初対面の関係は最悪。そもそも、アイドルとして、ではなく、キャラクターに声を当てる、と言うその部分だけで勝負したい千佳。そんな彼女の態度に苛立ちながらも、まず、目の前の仕事を、という由美子。色々と合わない部分はありつつも、番組のために行動を共にして……
由美子が目の当たりにする千佳の演技。先輩声優の凄さ。その一方で、千佳のヘッポコさ。世間知らずさ。千佳の仕事に対する親の反対。そういうものを目の当たりにして、どうしても感じる劣等感と、元来の姉御肌の気質。しかし、そんな中で……。結構、この辺りの関係性って、刑事モノの小説で、コンビを組んだ相手が最悪だと思いつつも、少しずつ信頼感を芽生えさせていくようなバディモノに近い気がする。
勿論、刑事モノの場合、事件を解決する、という目標に達することが出来れば……という部分があるけど、声優の場合はそうじゃない。同じ番組をしていても、アニメなどでは役を取り合うライバルでもある。だからこそ、由美子は嫉妬心もあるし……。そういう心情とかが上手く描かれていると思う。
終盤、ある事件が発生するのだけど、ちょっと急展開過ぎ&疑惑の真相がバレバレじゃないかな? とは思う。思うけど、欠点と言うほどの欠点でもない。その辺りでの完成度の高さは見事。
……むしろ……
ラジオ番組の打ち切り、存続って、そんなに簡単な話なのか? ってところの方がひっかった、元アニラジ番組投稿者のおいら(笑)

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