著者:芹沢政信


伝説の文豪・欧山概念が残した原稿「絶対小説」。それを手にした者には、比類なき文才が与えられる。売れない新人作家・兎谷三為は、その原稿を先輩作家・金輪際から見せられる。だが、その原稿はどこかへと消えてしまい、見せてくれた先輩までも失踪してしまう。金輪際の妹だというまことと共に、三為は奇妙な大冒険に巻き込まれていく……
著者は、かなり昔に読んだ『ストライプ・ザ・パンツァー』の著者・為三氏としてデビューし、本作で再デビューとなった人物。その作品は、基本的にギャグ作品ながら奇妙な世界観を作り出していたことを思い出すのだけど、本作も同様。
冒頭に書いたように、「絶対小説」なるものが消え、秘密結社から追われることになった三為。先輩小説家・金輪際の妹を名乗るまこととそれを調査するのだが、なぜか河童の村に辿り着いたり、まこと自身の存在が先輩作家の妹だったり、後輩作家だったり……と二転三転していく。そして、その秘密結社のやっていることも文豪・概念の作品の世界観を再現しようとするマニアだったり……と奇妙な存在ばかり。
この世界観の揺れ動きというか、ドライブ感というか、そういうのが物凄い。次々と奇妙な世界観がこれでもか、と現れ、場面が次々と切り替わっていく。文字通りに奇妙な大冒険。そして、その中で出てくるテーマが「小説を書く、というのは何なのか?」というテーマ。そもそもの話しとして、文才を得たとして、それは果たして、自分の小説と言えるのだろうか? まして、概念の存在を妄信している者たちの期待に応えたとして、それは果たして? そんな中で、自分で書いた記憶のない文章が出てきて……
そんな想いなどを抱きつつ物語は進んでいって……
一つの決着がついたと思ったら、今度は、全く思ってもいなかった方向から物語が転がりだし……。この点については書かない。
最早、何でもアリのジェットコースター展開。しかし、その中に、小説、物語を紡ぐこと、へのこだわりがこれでもかと詰められている。そんな作品。
No.5393

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この記事は、「新・たこの感想文」に掲載するために作成したものです。
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伝説の文豪・欧山概念が残した原稿「絶対小説」。それを手にした者には、比類なき文才が与えられる。売れない新人作家・兎谷三為は、その原稿を先輩作家・金輪際から見せられる。だが、その原稿はどこかへと消えてしまい、見せてくれた先輩までも失踪してしまう。金輪際の妹だというまことと共に、三為は奇妙な大冒険に巻き込まれていく……
著者は、かなり昔に読んだ『ストライプ・ザ・パンツァー』の著者・為三氏としてデビューし、本作で再デビューとなった人物。その作品は、基本的にギャグ作品ながら奇妙な世界観を作り出していたことを思い出すのだけど、本作も同様。
冒頭に書いたように、「絶対小説」なるものが消え、秘密結社から追われることになった三為。先輩小説家・金輪際の妹を名乗るまこととそれを調査するのだが、なぜか河童の村に辿り着いたり、まこと自身の存在が先輩作家の妹だったり、後輩作家だったり……と二転三転していく。そして、その秘密結社のやっていることも文豪・概念の作品の世界観を再現しようとするマニアだったり……と奇妙な存在ばかり。
この世界観の揺れ動きというか、ドライブ感というか、そういうのが物凄い。次々と奇妙な世界観がこれでもか、と現れ、場面が次々と切り替わっていく。文字通りに奇妙な大冒険。そして、その中で出てくるテーマが「小説を書く、というのは何なのか?」というテーマ。そもそもの話しとして、文才を得たとして、それは果たして、自分の小説と言えるのだろうか? まして、概念の存在を妄信している者たちの期待に応えたとして、それは果たして? そんな中で、自分で書いた記憶のない文章が出てきて……
そんな想いなどを抱きつつ物語は進んでいって……
一つの決着がついたと思ったら、今度は、全く思ってもいなかった方向から物語が転がりだし……。この点については書かない。
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