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OJOGIWA

著者:藤崎翔



練炭自殺をするため、ネットで集まった4人の男女。人気のない裏道に行き、さぁ実行、と思った矢先、彼らは目の前で殺人事件が起こり、その現場には3000万円の現金が……。それを見た参加者の一人・オーバーは、その半額を手に入れ、残りは3人で分配。自殺は中止となったのだが……
表紙のインパクトが物凄い(笑) 著者の作品を読むのは、デビュー作以来だけど、表紙のインパクトで手に取った次第。
冒頭に書いたような形のプロローグで物語がはじまり、本編では、各章、自殺を中止した面々が、その後、どうしたのか? という形で綴られていく。
まぁ、各章、リーダビリティが高いし、物語のテンポも良いのでどんどん読み進めることが出来る。そして、その中で、様々な形で人生に絶望していた各章の語り部たちが、結果的に生き延びることが出来、なおかつ、その奪った金によって生きる気力を得ることが出来た……なんていう辺りは、凄くリアリティがある。色々と言うけれども、お金というのが大きいことは間違いないわけだし……。しかし……
正直なところ、物語中盤くらいから、個人的にはかなり読んでいて辛かった。別に、主人公たちに肩入れしていて、とか、そういうことではなくて、かなりワンパターンな展開が待っているため。2章目を読み終わった時点で、同じパターンだ……ということになり、3章目で、今回も……となってしまう。で、その通りとなって、第4勝に入り、「やっぱり……」という流れになっていた、と思いきや……
確かに、「ひっくり返し」と言う意味では、なるほど! と思われるし、また、真相がわかった上での、そこに付随するアレコレについては、一種の社会問題についての提示という評価も出来ると思う。勿論、その部分についてのご都合主義、と言うのを感じつつ、ではあるが……
示唆に富んだ作品だとは思うのである。
……が、どうしても、読んでいる最中に、「ワンパターンだな……」という思いを感じざるを得なかったのは確かだし、ひっくり返しによってそれらが全て払拭できるだけの爽快感を感じたのか、と言えば答えは「NO」。オチを活かすためにも、途中の章で、もうちょっと色々とあっても良かったのではあるまいか。

No.5400

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