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異世界拷問姫9

著者:綾里けいし



「どうか、皆、みーんな、一緒に死んでください」 最愛の父・ルイスを喪ったアリスは世界を壊し始める。一方、最愛の従者・櫂人を喪ったエリザベートは世界を守り続ける。鏡映し、共にあり得た可能性。故に交わらない両者の道は……
シリーズ完結編。
綺麗に着地したなぁ……
物語は、とにかく、砂の女王、そして、アリス自身とエリザベートらの戦い。けれどm、その中に。
裏表紙の粗筋、そして、自分が書いた粗筋でも綴った通り、アリスもエリザベートも双方ともに「最愛の存在」を喪った状態。言い換えれば、ちょっと歯車が狂えば反対の立場になっていたかもしれない。そんなところからのスタート。しかし、戦いの中で描かれていくのは、双方が果たしてそうだったのか? と言う部分。
櫂人、ヒナを始めとして、様々な存在との交流も持つことになったエリザベート。櫂人はエリザベートを守るために戦った。彼によって集められた面々は、自分たちの種族を守るため、世界を守るために、そして、誇りのために戦い続けた。そこにあるのは、果てしない命への渇望。一方のアリス。最愛の父・ルイスの心に宿っていたのは、世界への憎しみ。アリスへの想いもあるが、しかし、それは破滅へと向かうためだけの道。合わせ鏡、と言いつつ、実は当初から全く違っていた未知。あり得た可能性、と言いつつ、読み進めるうちに、そんな状況が強く感じられるようになっていった。そして、その戦いの決着。その後に残ったもの……
壮大なバトル、という部分を描きつつも、その背景にあった「愛」の意味。それらが成就する結末。
これまで広げられてきた風呂敷がしっかりと畳まれ、物語があるべき場所へと着地する美しいラストシーン。壮大な物語をしっかりとまとめ上げた。最後まで追いかけてきてよかった。

No.5420

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