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クリーピー ラバーズ

著者:前川裕



犯罪心理学者の高倉孝一が開設した相談所。気に入った事件しか引き受けない、というそこは、高倉の研究のフィールドワークを兼ねている。所長である高倉、助手の夏目鈴の元には、気味の悪い依頼が次々と舞い込み……
という『クリーピー』シリーズの連作短編集。全6編を収録。
何と言うか、気味の悪い事件、というよりも、悪趣味、という印象が強いのだけど……
例えば1編目『倒錯者』。高倉の元へ来た依頼は、中堅の同族会社へと届いた告発文。告発者は、社長の息子で、将来の社長という常務と不倫をしており、なおかつ、その特殊な性行為によって殺されるのではないか、と思ったこと。そして、その前に不倫をしていた相手は、行方不明になっており、その常務によって殺されたのではないか? というものだった。
生々しい告発文。その中で、事件が起こったのではないか? という疑惑。ところが、そんな依頼の話を見た高倉は、アッサリとその事件についての解釈を始めて……。告発文の中に隠された嘘。依頼人そのものの嘘。そういうものが見破られて……というところは、爽快感があるんだけど、一方で、読んでいてよくわからないのは、なぜ、その依頼人が高倉の元へ来たのか? ちょっと考えても、すぐにバレる嘘をついているわけだし、そういう意味での気持ち悪さ、というのはあったのだけど……
で、今回の作品は、愛憎劇がメインとなり、さらに視点は依頼人側。それ自体は良いのだけど……正直なところ、かなりワンパターンと感じる話が多いんだよな。それぞれの事件でのひっくり返しとか、そういうのは確かに決まっているのだけど、その実、またか……と感じるのだ。そこがどうにも……
短編集として、まとめて読むよりも、一編ずつ読んだ方が楽しめるような気がする。

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