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豚のレバーは加熱しろ

著者:逆井卓馬



豚のレバーを生で食べ、意識を失った俺は異世界に転生した……豚として。豚小屋で俺を助けてくれたのは、人の心を読み取ることが出来る、という少女・ジェス。豚の目線なら……そんな欲望ダダ洩れながら、そんな俺を受け入れてくれるジェス。イェスマという彼女は、16歳になると、王都へと向かわねばならない、という。俺は、ジェスに同行することにするのだが……
第26回電撃小説大賞・金賞受賞作。
これ、面白いわ。
冒頭に書いたように、異世界に豚として転生した主人公ってのは、いかにも、「なろう」系的な展開。ただ、チート能力があるのか、と言えばそうではなく、ジェスと会話……というか、意思疎通が出来る、というわけでただの豚。でも、そのジェスは、(多少、引き気味ながらも)主人公に優しく接し、受け入れてくれる天使のような存在。だからこそ、ジェスの旅に同行することにするのだが……
主人公とジェスのやりとり自体は、心地よいものではある。あるんだけど、その旅やら、イェスマの存在に関しては常に不穏な空気が漂う。旅立ちの前から、主人公が感じるのはイェスマに対する差別などの世相。そして、旅を続ける中で明らかになっていく、イェスマの過酷な運命。何しろ、16歳になったら、王都へと旅立たねばならない。しかし、旅立ったら、それを狩り、殺すことも構わない、という。というか、むしろ奨励されていたりもする。また、王都へ旅立とうとしない者への制裁もあるらしい。そんな過酷な旅に出ることになって……
主人公、ジェス、さらにジェスを守ろうとするノット……。実際、バトルとかもあるけど、それぞれの面々は心強く、好感の持てる面々。だからこそ、背景となる世界観の陰惨さとのギャップが気になって、次へ……と言う感じになった。
ちゃんと、その辺りの伏線などもしっかりと回収され、でも、これで終わりなのか? という旅の終着点。一応、これで完結したしなぁ……と思ったら、のエピローグ。色々な意味で笑わせてもらった。もし、これで続くのなら……その後、どうなるんだろう? それはそれで気になる。

No.5429

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