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こわれたせかいのむこうがわ 少女たちのディストピア生存術

著者:陸道烈夏



砂漠の国・チオウの最下層で暮らす少女・フウ。母を失った彼女は、ジャンク屋で買ったラジオから流れる音声を楽しみに日々を過ごす。そんなとき、いつも腹ペコで、フウを「お兄ちゃん」と慕う少女・カザクラと出会い……
第26回電撃小説大賞・銀賞受賞作。
最貧の場所で生まれ育ち、母は水が飲めずに死去。学校などで学ぶ、なんていうのは遠い世界の話。配給される金で、日々、必要な物資を買うだけで精いっぱい。それは確かに、ディストピアではある。あるんだけど、まず読んでいて思ったのは、そんな世界でも、カザクラや、拾った小鳥のピィとの生活。ラジオから得られる知識を楽しみに、という決して不幸とは言えない逞しさ、というのをフウたちに感じる花時だな。そして、フウは、そのラジオで得た知識を生かし、生きる術を見つけていく。
読み終えて、こうやって粗筋を書くと、結構、スラスラとネタバレ状態の文章になってしまうなぁ(苦笑)
ただ、この作品の世界観。そして、ラジオという小道具が良いアクセントになっている、というのを感じる。ラジオから流れてくる放送。世界にはチオウしか国は残っておらず、その電波の中の声は、遥か昔のもの。だから、その声の主に会うことは出来ない。けれども、そこで学ぶことは沢山ある。そんな関係性って、何かわかる気がする。ところが、カザクラの危機が訪れ、彼女を治すために東奔西走する中で、ラジオについての新たな事実を知り……
自分も昔、ラジオ番組に投稿とかしていたときがあった。勿論、そのラジオのパーソナリティは放送局のスタジオにいて、現在、生活をしていて……なんていうことはわかっている。でも、田舎にいた自分にとって、やっぱり住む世界が違う印象。そして、ラジオ投稿とかをしても、なかなか採用されたりすることもなくて、ハガキ、届いているのかな? なんていうのも思ったこともあった。けれども、それが初めて採用されたとき、なんか、その世界を繋がったように感じたのを思い出した。なんか、この終盤の展開って、そのときの感覚に近いものがある様に思う。
でも、この雰囲気、好きだな。

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