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コープス・ハント

著者:下村敦史



「俺は“思い出の場所”に真犯人の遺体を隠してきた」 連続殺人犯として逮捕され、取り調べ、裁判でも沈黙を保ってきた浅沼聖悟は、死刑判決後に宣言する。浅沼の事件とされる主婦殺害事件を追い、浅沼の事件なのか、と疑念を抱いていた女性刑事・望美は一人、その事件を洗いなおすことに。一方、不登校の中学生・宗太は、動画配信仲間のにしやんに「遺体探しの旅」に誘われる……
ということで、物語としては、事件を追う望美。そして、遺体探しの旅に出る宗太の視点で綴られていく。
両者の視点での物語は大分、カラーが異なっている。
そもそも、自分の担当していた事件が浅沼の犯行とは思えなかった望美。彼女がマークしていたのは、素行の悪い大学生グループ。しかし、浅沼の逮捕で、それも彼の仕業とされてしまう。そんなときの浅沼の一言で、やはり……と確信した望美は一人で洗い直しを開始する。その中で、その学生グループの一人が失踪していることを知る。だが、浅沼の言う「約束の地」とは? 周囲の冷ややかな目をよそに、という態度。彼女が犯人と見る学生グループを挑発しながらの捜査。さらに、彼女に襲い掛かる存在……とハードボイルド作品的なカラーが強く出ている。
一方の宗太。家に引きこもり、動画配信をする中で、同じ配信者仲間のにしやんからの誘い。実は、引きこもりだ、ということが言えないままそこに参加するが、もう一人、不思議な雰囲気を持つ配信者・セイが加わる。人気配信者のにしやん。漫画やテレビすらロクにみていない、という堅物のセイとの旅に緊張感を抱くものの、目的地で出会った少女・花穂も加わることに。当初は緊張をしていたものの、次第に打ち解けいき、互いに自分の秘密を告白するような関係に。この辺り、作中でも名前が出てくる『スタンド・バイ・ミー』的な印象。ところが……
YouTubeとかでの配信などに関するアレコレ。現在、ユーチューバーとかで注目されている人もいるけど、その中での「炎上」とか、そういうのもある。そもそも、テレビとか以上に何でもアリなため、その行動などが……っていうのもある。でも、その裏に、とにかく注目され、金を、っていう人もいるかもしれない。誰だって、自分を大きく見せたい。秘密は隠したい、という気持ちを持っている。その辺の心理描写とかに共感が出来た。
正直なところ、最後までイマイチ、物語のキーパーソンたる浅沼については「よくわからなかった」っていう部分はあるのだけど、リーダビリティの高さとか、そういうのも含めて楽しめた作品であったのは確か。

No.5433

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