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魔法も奇跡もない、この退屈な世界で

著者:渡風夕



人体改造による異能力が跋扈し、犯罪こそが大衆のエンターテインメントとなった23世紀の日本。人々を熱狂させる「王」の称号を持つ「殺人王」フォルックは、敬愛する師の死体の行方を捜していた。そんな彼の前に、コールドスリープから目覚めた新米捜査官にして、21世紀人のヒナコが現れ……
なんか、物語に入り込みづらかったなぁ……
物語の鍵となるのは、21世紀の常識を持つヒナコと、殺人王・フォルックのやりとり。21世紀の常識である「人を殺してはいけない」というようなことで、フォルックを止めようとするヒナコだけど、殺人王として常に狙われる存在であるフォルックにとってはそれは自分、さらに周囲を危機に陥れるだけの行為。そんな中で対立しながら、「罠師」と呼ばれる犯罪者を追う。しかし、その中でも色々な勢力の思惑があって……というような感じで、バトルシーンを中心に綴られていく。
なのだけど、イマイチ、世界観に入り込めないというか……。人体改造によって異能力を持つ存在がいる、とか、天然は強い、とか、そういう情報は色々と出てくるのだけど、パッと世界観がこういうものだ、というのが出てこず、ヒナコの疑問とか、そういうところが出て1つ、また1つと明かされていくために読んでいるこちらもヒナコ同様、あ、これはこうなのだ……とだんだんと理解するような格好になっていく。しかも、「犯罪者」と「警察」の関係性とかそういうのも複雑であるがゆえにわかりづらい。ぶっちゃけ、そんな存在を取り締まる警察などがあるなら、まず取り締まれよ、って感じだし、なぜに英雄視される? とも思ってしまう(まぁ、人間はある程度の幸せが担保されているなら自分の意思を捨てて、システムの中で生きる方が楽だから、多くの人々は……っていうのがあるし、それは真理だとは思うけど)
世界観の要素とか、1つ1つのアイデアなどは面白かったがゆえに、ちょっと料理の仕方が……というような印象が残る。

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