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ON 猟奇犯罪捜査班 藤堂比奈子

著者:内藤了



新人刑事の藤堂比奈子に、交通課に勤める友人からもたらされた情報。それは、宅配便のトラックが免許などを置いたまま放置されている、ということ。まもなく、その運転手が他殺体となって発見される。その殺害方法は、かつて、運転手が行った事件と同じ手口で殺される、というものだった。さらに、かつて、凶悪犯罪を起こした者が同じ手口で自殺する、という事件が発覚して……
第21回日本ホラー小説大賞・読者賞受賞作。
ホラー小説大賞の読者賞を受賞した作品、ということではあるんだけど、物語としてはむしろ、(ちょっとグロテスク要素のある)ミステリという印象が強いかな?
物語としては、粗筋で書いたように、凶悪犯罪を起こした犯人が次々と奇妙な自殺を遂げている、という事件が発生。それぞれ、複数の犯行を重ねており、その自殺は、その犯人が罪を犯した方法そのまま。そして、その犯行回数と同じだけそれを繰り返して、というように思われるような形で。洗脳? しかし、それは可能なのか? そんな謎で物語が進むのだけど……
まぁ、黒幕ともいうべき人物に関しては、結構、早い段階でこの人だろうな、というのはわかるのだけど、きっかけとなった事件の映像がネットに流出。さらに、思わぬ人物が何者かに殺害され、そちらの捜査も……と、新展開が次々と起こって、今度はこっち? と言う感じで物語が転がっていくため、最後までどういう風に進むのかわからない、というのも魅力であると言えるだろう。
そして、そのポイントとなるどう操っていたのか? という点。これについては、多分、ファンタジー的な要素が強い。そういう意味では、ミステリとホラーの間くらいになるのだろうけど、この部分についての科学的なものがどうこう、というのは純粋に「野暮」の一言で片づけて良いと思う。
著者の作品は、『よろず建物因縁帳』シリーズだけをこれまで読んできたのだけど、本作はデビュー作ということもあって、より意欲的と言うか、より色々と詰め込んできているな、というのを感じた。

No.5440

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COMMENT 1

根岸鴨  2020, 04. 12 [Sun] 21:24

こんばんは。
何年か前に波留主演でドラマになったものを見てました。

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