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こんにちは刑事ちゃん

著者:藤崎翔



ベテラン刑事の羽田隆信は、後輩の鈴木慎平と共に殺人事件の捜査に当たる。しかし、慎平の妻が産気づいた、という知らせに、一人で捜査を始めたところ、犯人に殺され殉職してしまった……はずだった。目を覚ますと、なぜか生まれたばかりの慎平の子供の身体に隆信の意識が取り付いて……
これ、面白い!
物語としては、赤ちゃんの身体に隆信の身体が取り付き、その周辺で起こる事件を解決していく、という形で、連作短編形式で進んでいく。
こういう作品自体は、結構あるとは思うのだけど、そのお約束とでも言うか、隆信は事件の真相を見抜くことが出来ても伝える手段がない、とか、はたまた、「普通の赤ちゃん」であるように振る舞うとか、そういう隆信の苦労が楽しい。まぁ、途中で慎平が隆信の意識がついていることに気づいて意思疎通とかも出来るようになるんだけど、それはそれで気まずい思いをしたりとか(例えば、授乳とか、入浴とかで、慎平としては元上司が自分の妻の裸とかを見ている、ってわけだし)、随所に笑いどころが散りばめられている。
で、こういう作品って、相棒がバカキャラだったりするのだけど、この作品に出てくる後輩刑事・慎平って普通に優秀な刑事。また、赤ん坊になった隆信を育てる慎平の妻・明奈。さらに、彼女が出会う子供やその親たちも好感の持てる人々ばかり。その中で、優秀な刑事である慎平が、自分の子供(しかも、赤ちゃん)と、妻にバレないようにしながら捜査会議をしている様が楽しい。と同時に、子育てなどもあまり手伝ってこなかった隆信が、子供の立場に立って感じる色々な事。これ、何気に、子育てに関する問題提起(?)にもなっているんじゃないかと思う。
事件そのものは、全体的に小粒だな、と感じるものが多いのだけど、ちゃんと論理的に解決。その上でキャラクターの良さ、テンポの良さ、という辺りもあって凄く楽しかった。終盤、赤ちゃんの身体から隆信が消える、という状況での、生前、殆ど口を利かなくなってしまった隆信の娘の、父に対する想いが語られたシーンは、じーん、と来たし。
良い終わりだったなぁ……と思ったら……
まさかのオチ!(笑)
まさか、アレが伏線とは(笑) 確かに、なんで、こんなネタを、とは思ったんだけどさ……
巻末の予告(?)までは、あと80年くらいあるんだから、そのうちに……(笑)

No.5462

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