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なないろ金平糖 いろりの事件帖

著者:伽古屋圭市



大正時代。日本橋にある金平糖専門店「七ツ堂」の看板娘・いろりには、不思議な力があった。金平糖を口にすると、その色に応じて、様々な力を発揮する。そんなある日、彼女は一人の少女・絹とぶつかってしまう。そのせいで、絹が手にしていた母の形見だという人形を紛失してしまうのだが、絹はそんなものいらない、と言い……
から始まる連作短編形式の物語。
大正時代を舞台にしている作品ではあるのだけど、いろりが、過去視やら記憶視と言った超能力を持っていること。そして、彼女だけが猫のジロと会話をできる……なんていう設定があることも相まって、雰囲気としてはかなりライト。ただ、結構、グサグサと来るようなシリアスな面がある作品でもある。
物語の大きなポイントになるのは、超能力を持っているから、ということについての悩み、というところだろうか?
1編目、粗筋でもちょっと触れた『絹の人形』は、いろりが、その力を使って人形を探し出し、その上で人形に込められた真相を、という形でいろりがどんな存在なのか? というのを示し、絹にも懐かれる。そんな中での2編目『志津の執念』。女学生時代のクラスメイトであり、超能力を制御できなかったいろりを嫌っていた志津から、その力を使って……という依頼。訝しい想いを抱えつつも、依頼を受けるのだが……。志津の説明とは違っていた依頼の真相。そして、明らかになったときにぶつけられる悪意が印象に残る。
そして、その中で募っていくのは、自分を慕ってくれる絹に自分の力のことを告白すべきか? という思い。勿論、それによって嫌われるのでは? という思いもある。そんな中、絹が失踪して……
最後のアレは流石にベッタベタじゃね? とか思ったりもするのだけど、それはそれで良いか(笑) 謎解き、という形ではあるが、その辺りはかなりライト。ただ、その中で上に書いたように、いろりの、超能力があるが故の苦しみ、というのが印象に残った。

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