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丑三つ時から夜明けまで

著者:大倉崇裕



犯行現場は完全なる密室、容疑者には完璧なアリバイ。こんな事件は、幽霊の仕業に違いない! 霊能力者ばかりを集めた静岡県警捜査五課は、そんな事件を専門に扱う特殊部隊。捜査一課の刑事である私と、上司の米田は、事件の現場でそんな5課とぶつかることになって……
5編を収録した連作短編集。
物語の前提として、人間の霊というのが存在することが証明された、という設定がある。霊感などがない人には、その存在を認識できないし、また、その死んだ状況などによって特殊な力を持つ。さらに、幽霊だから何でも出来る、というわけではなく、幽霊が存在できるのは、死後1年間に限定されるし、また、地縛霊などのように移動が出来ないものも存在する。
裏表紙の粗筋では、「ユーモアミステリー」とあるのだけど、ギャグというよりも、その設定の特殊さ、というのが大きいように思う。
で、そんな物語はある程度、パターンが決まっている。事件が発生。その事件は不可能犯罪で、捜査一課の主人公(私)、米田らが出張るのだが、そこには五課の課長・七種も現れ対立。そして、私は七種とコンビを組むことに。そして、七種は、幽霊関連から捜査を見ていくが、それは失敗。一方、米田は、名(迷)推理を披露するが、それも……。その上で、という形になっていく。その七種と米田のやりとりとかは、ギャグと言えばギャグなんだけど、笑いを取りに来ている感じではないんだよな。
個人的に面白かったのは4編目『幻の夏山』かな? 事件を捜査中、犯人に射撃をし、重賞を追わせてしまった米田。謹慎というか、休暇となった米田は、趣味である山登りへと向かう。私もそこに同行するのだが、天候不順で山小屋へ宿泊することに。ところが、その最中に撃たれた犯人は死亡。そして、山小屋でも殺人が……。米田が射殺した犯人の復讐? 不可解な行動をとる宿泊客に獲り付いた? そう思ったところで……。そこまでのパターンと変えてきて、最後の最後にでっかいオチ。
そして、最終編の『最後の事件』。これにて、物語そのものが完結と言う感じ。それまでの4編の中での違和感とか、ちょっとした設定の部分を上手く説明しての終わり方は上手かった。

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